2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧
展覧会『馬場まり子展』を鑑賞しての備忘録コバヤシ画廊にて、2024年9月23日~10月5日。 それぞれオレンジ、黄緑、水色、山吹色、紫、ピンクの単色で塗り斑のある画面を作り、幽明境を異にするかの如き人物を同系色ないし白色の線で表した絵画6点で構成され…
映画『憐れみの3章』を鑑賞しての備忘録2024年製作のアメリカ・イギリス合作映画。165分。監督は、ヨルゴス・ランティモス(Yorgos Lanthimos)。脚本は、ヨルゴス・ランティモス(Yorgos Lanthimos)とエフティミス・フィリップ(Efthimis Filippou)。撮影は、ロ…
展覧会 牧ゆかり個展『Strange Reality』を鑑賞しての備忘録ギャラリー58にて、2024年9月23日~28日。 涙・滴・粒、あるいは流れる・伝わる・落ちるといった、眼から縁語のように連なるモティーフによって、束の間姿を表す歪な顔を描き出す、牧ゆかりの個展…
展覧会『昭和モダーン モザイクのいろどり 板谷梅樹の世界』を鑑賞しての備忘録泉屋博古館東京にて、2024年8月31日~9月29日。 板谷波山の子で、日本劇場一階玄関ホールを飾ったモザイク壁画で知られる板谷梅樹(1907-1963)のモザイク作品を展観する企画。花…
展覧会『クリス・ヨハンソン「Navigation」』を鑑賞しての備忘録NANZUKA UNDERGROUNDにて、2024年9月13日~10月13日。 陸の上であろうと海の上であろうと、意志ある限り道が続き、なおかつその道は時空をも超える。絵画を中心としたインスタレーションで構成…
映画『アビゲイル』を鑑賞しての備忘録2024年製作のアメリカ映画。109分。監督は、マット・ベティネッリ=オルピン(Matt Bettinelli-Olpin)とタイラー・ジレット(Tyler Gillett)。脚本は、スティーブン・シールズ(Stephen Shields)とガイ・ビューシック(Guy …
映画『チャイコフスキーの妻』を鑑賞しての備忘録2022年製作ロシア・フランス・スイス合作映画。143分。監督・脚本は、キリル・セレブレンニコフ(Кирилл Серебренников)。撮影は、ウラジスラフ・オペリアンツ(Владислав Опельянц)美術は、ウラジスラフ・オガ…
展覧会『空の発見』を鑑賞しての備忘録渋谷区立松濤美術館にて、2024年9月14日~11月10日。 かつて空はモティーフを表すための余白に過ぎなかった。西洋絵画の将来により、眼に映る全てを捉える意識が芽生え、ベロ藍の普及と相俟って現実の空が描かれるよう…
展覧会『トーキョーアーツアンドスペースレジデンス2024 成果発表展 微粒子の呼吸 第2期』を鑑賞しての備忘録トーキョーアーツアンドスペース本郷にて、2024年8月17日~9月22日。 トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が2006年より実施しているレジデンス…
展覧会『池田萌々恵個展「1/n』を鑑賞しての備忘録GALLERY b.TOKYOにて、2024年9月16日~21日。 一筆書きの略画のようなキャラクターを書割の中に表したような演劇的なイメージの絵画などで構成される、池田萌々恵の絵画展。 《scene Ⅰ》(910mm×727mm)は、ピ…
映画『助産師たちの夜が明ける』を鑑賞しての備忘録2023年製作のフランス映画。100分。監督は、レア・フェネール(Léa Fehner)。脚本は、カトリーヌ・パイエ(Catherine Paillé)とレア・フェネール(Léa Fehner)。撮影は、ジャック・ジロ(Jacques Girault)。美…
展覧会『村上早展』を鑑賞しての備忘録コバヤシ画廊にて、2024年9月9日~21日。 動物と人とをモティーフとしながら、事故や事件の現場のような場面のために、あるいは表情が窺えないために不穏な雰囲気を醸し出す版画作品で構成される、村上早の個展。 《は…
映画『ぼくのお日さま』を鑑賞しての備忘録2024年製作の日本映画。90分。監督・脚本・撮影は、奥山大史。照明は、西ヶ谷弘樹。録音は、柳田耕佑。美術は、安宅紀史。装飾は、松井今日子。衣装は、纐纈春樹。ヘアメイクは、寺沢ルミと杉山裕美子。編集は、奥…
展覧会『小泉圭理「しゃくとり虫」』を鑑賞しての備忘録KOMAGOME1-14casにて、2024年9月11日~23日。 いずれも「しゃくとり虫」と題した絵画で構成される、小泉圭理の個展。《しゃくとり虫(Reference: Le Corbusier, Modulor)》(1800mm×900mm)は、頭に腕を載…
展覧会『若松裕子展』を鑑賞しての備忘録OギャラリーUP・Sにて、2024年9月9日~15日。 山ないし山のような形をモティーフとした絵画で構成される、若松裕子の個展。 「山」という言葉が題名に入るのは、所々に花が咲いた5つの峰を描いた《山々の宴》(530mm14…
映画『愛に乱暴』を鑑賞しての備忘録2024年製作の日本映画。105分。監督は、森ガキ侑大。原作は、吉田修一の小説『愛に乱暴』。脚本は、森ガキ侑大、山﨑佐保子、鈴木史子。撮影は、重森豊太郎。照明は、中須岳士。録音は、猪股正幸。美術は、松永桂子。装飾…
展覧会『KAMIYAMA ART カドリエンナーレ2024』を鑑賞しての備忘録上野の森美術館にて、2024年9月8日~15日。 2014年から美術系大学院生たち240名の支援を行ってきた一般財団法人神山財団が10周年を記念して開催する展覧会。カドリエンナーレ(quadriennale)と…
映画『ヒットマン』を鑑賞しての備忘録2023年製作のアメリカ映画。115分。監督は、リチャード・リンクレイター(Richard Linklater)。原作は、スキップ・ホランズワース(Skip Hollandsworth)の"Texas Monthly"誌掲載記事"Hit Man"。脚本は、リチャード・リン…
展覧会『崔明永』を鑑賞しての備忘録東京画廊+BTAPにて、2024年8月24日~9月28日。 画面を単色の線や面で塗り込める「Conditional Planes(平面条件)」シリーズ12点(キャンヴァスに油絵具かアクリル。1点だけ紙にシルクスクリーン)で構成される、崔明永(…
展覧会『小瀧雅道展』を鑑賞しての備忘録ギャラリーなつかにて、2024年8月30日~9月14日。 下層に書のような文様を大きく表わした上に朱の絵具を塗り重ね、そこにより小さな書のような文様を散らした絵画「不立文字」シリーズを中心とした、小瀧雅道の個展。…
展覧会『田村憲一展』を鑑賞しての備忘録十一月画廊にて、2024年9月2日~14日。 生命の差異と繋がりとをテーマにした絵画で構成される、田村憲一の個展。 《換》(727mm×606mm)には水色の円ないし球の集合体の下にピンクの糸が触手のように伸びる譬えるならク…
展覧会 磯谷博史個展『Ginza Curator’s Room #009 形が影に従い、音が響に応じる』を鑑賞しての備忘録思文閣銀座にて、2024年9月2日~14日。 德山拓一のキュレーションにより、磯谷博史が思文閣所蔵の小早川秋声・竹内栖鳳・田中一村の絵画や鈴木治の陶器を…
花村萬月『花折』〔集英社文庫は-18-11〕集英社(2021)を読了しての備忘録 私は逆子だった。 幼いころ母と風呂に入っていると、濛々と湯気が立ち籠める洗い場で、ぐいと引きよせられて必ず囁かれた。「あんたは逆子やったから。ほら、見てみ。ここ。この傷。…
展覧会『松井えり菜個展「アストラル・ドリーマー」』を鑑賞しての備忘録ANOMALYにて、2024年7月20日~9月7日。 空想の世界を優雅に漂いながらも、いとも容易く現実に引き摺り戻されてしまう自らの悲哀を、ユーモアたっぷりに表現する絵画などで構成される…
映画『ナミビアの砂漠』を鑑賞しての備忘録2024年製作の日本映画。137分。監督・脚本は、山中瑶子。撮影は、米倉伸。照明は、秋山恵二郎。録音は、小畑智寛。美術は、小林蘭。装飾は、前田陽。スタイリストは、髙山エリ。ヘアメイクは、河本花葉。リレコーデ…
展覧会『阿部峻「まなこをとじて(とじないで)」』を鑑賞しての備忘録銀座スルガ台画廊にて、2024年9月2日~7日。 太陽の象徴として八咫烏を描いた「ヤタノカラス」シリーズなど、光を主題とした絵画で構成される、阿部峻の個展。 《マウンテン ライン》は…
展覧会『開発の再開発 vol.6 片山真妃「αMと遠近法」』を鑑賞しての備忘録gallery αMにて、2024年6月29日~9月7日。 「アートの終焉」と美術において新しいことをするのは不可能と諦観するのではなく、新しさについての線形的な思考を脱し、「新しさ」を生み…
展覧会『橋爪彩展「LA VIE EN ROSE」』を鑑賞しての備忘録日本橋髙島屋 美術画廊Xにて、2024年8月22日~9月9日。 名画を下敷きにした作品など、読み解きを促す不穏さの滲む状況を写実的に描き出した作品群で構成される、橋爪彩の個展。展覧会タイトル「「LA …
展覧会『保良雄個展」くだ」』を鑑賞しての備忘録OMOTESANDO CROSSING PARKにて、2024年8月30日~9月3日。 ソルビン酸カリウム、水、絹糸、大理石、2000年前の地層から採取した土、藍で染めた栗の木、海岸で拾った石、都内で拾った鳥の羽、電球などで構成さ…
映画『ACIDE アシッド』を鑑賞しての備忘録2023年製作のフランス映画。100分。監督は、ジュスト・フィリッポ(Just Philippot)。脚本は、ヤシネ・バッダイ(Yacine Badday)とジュスト・フィリッポ(Just Philippot)。撮影は、ピエール・ドゥジョン(Pierre Dejon…