可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

展覧会『ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家』

展覧会『ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家』を鑑賞しての備忘録東京オペラシティ アートギャラリーにて、2024年1月17日3月24日。 ガラス作家の山野アンダーソン陽子が、アンナ・ビヤルゲル、アンナ・カムネー、イルヴァ・カールグレン、…

展覧会 松平莉奈個展『3つの絵手本・10歳の欲』

展覧会『開発の再開発 vol.4 松平莉奈「3つの絵手本・10歳の欲」』を鑑賞しての備忘録gallery αMにて、2024年1月20日~3月16日。 価値観が揺れ動く社会に対し、ソーシャリー・エンゲイジド・アートのように直接に関与するアプローチに限らず、造形的表現や美…

展覧会 古原汐理個展『声なき祈り』

展覧会『古原汐理「声なき祈り」』を鑑賞しての備忘録ギャラリーそうめい堂にて、2024年2月3日~17日。 岩手県で過した幼少期の経験や言い伝えに着想を得た版画18点で構成される、古原汐理の個展。 《故郷の花》(345mm×280mm)には、頭部から2本の角が突き出…

展覧会 田中千智個展『海と船』

展覧会『田中千智展「海と船」』を鑑賞しての備忘録Bunkamura Gallery 8/にて、2024年2月~18日。 平板な黒が印象的な絵画作品で構成される、田中千智の絵画展。 出展されている作品のほとんどにおいて、背景は黒に覆われている。例えば、《夜の海とタワー》…

展覧会 飯嶋桃代個展『Sphinx―人間の台座』

展覧会『飯嶋桃代展「Sphinx―人間の台座」』を鑑賞しての備忘録ギャルリー東京ユマニテにて、2024年2月5日~24日。 ギリシャ神話において通行人に「朝は4本足、昼は2本足、夕は3本足で歩く生き物は何か」謎をかけ、答えられない者を殺していたスフィンクスを…

展覧会 宮林妃奈子個展『土に隠れた文字のしっぽ』

展覧会『宮林妃奈子「土に隠れた文字のしっぽ」』を鑑賞しての備忘録Gallery38にて、2024年1月19日~2月25日。 布や紙などの支持体を切り貼りして絵具と等価に扱った絵画24点で構成される、宮林妃奈子の個展。 《月の日を追う》では、板の横方向の木目を風に…

展覧会 白井美穂個展『森の空き地』

展覧会『白井美穂 森の空き地』を鑑賞しての備忘録府中市美術館〔2階企画展示室〕にて、2023年12月16日~2024年2月25日。 1989年~1996年の初期作品14点と2005年~2023年に制作された作品14点とを、Ⅰ「1日で世界を一巡り」、Ⅱ「往還」、Ⅲ「永遠の午後」、Ⅳ「…

映画『夜明けのすべて』

映画『夜明けのすべて』を鑑賞しての備忘録2024年製作の日本映画。119分。監督は、三宅唱。原作は、瀬尾まいこの小説『夜明けのすべて』。脚本は、和田清人と三宅唱。撮影は、月永雄太。照明は、秋山恵二郎。録音は、川井崇満。美術は、禪洲幸久。装飾は、高…

展覧会 棚田康司個展『入って飛ぶ』

展覧会『棚田康司「入って飛ぶ」』を鑑賞しての備忘録ミヅマアートギャラリーにて、2024年1月17日~2月17日。 縄跳びする人物をモティーフとした楠の一木造り《地上を取り込むように》と《宙を取り込むように》を中心とする、棚田康司の個展。 《地上を取り…

展覧会 山下茜里個展『Beyond the Skin』

展覧会『山下茜里「Beyond the Skin」』を鑑賞しての備忘録小山登美夫ギャラリー天王洲にて、2024年1月20日~2月10日。 皮膚を除去されたかのような人々が画面一杯に押し込められた姿を蝋染めにより表わした「Beyond the Skin」シリーズで構成される、山下茜…

映画『梟 フクロウ』

映画『梟 フクロウ』を鑑賞しての備忘録2022年製作の韓国映画。118分。監督は、アン・テジン(안태진)。脚本は、ヒョンギュリ(현규리)、アン・テジン(안태진)。撮影は、キム・テギョン(김태경)。美術は、イ・ハジュン(이하준)。編集は、キム・サンミン(김선민…

映画『コット、はじまりの夏』

映画『コット、はじまりの夏』を鑑賞しての備忘録2022年製作のアイルランド映画。95分。監督・脚本は、コルム・バレード(Colm Bairéad)。原作は、クレア・キーガン(Claire Keegan)の小説"Foster"。撮影は、ケイト・マッカラ(Kate McCullough)。美術は、エマ…

展覧会 林田真季個展『Water & Mountains:エコロジーと社会をめぐるワンダーランド』(第17回 shiseido art egg 第1期)

展覧会『第17回 shiseido art egg 第1期 林田真季「Water & Mountains:エコロジーと社会をめぐるワンダーランド」』を鑑賞しての備忘録資生堂ギャラリーにて、2024年1月30日~3月3日。 イギリスの海岸低地に1200箇所以上存在する、環境規制導入以前に廃棄物…

映画『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』

映画『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』を鑑賞しての備忘録2023年製作のフランス映画。116分。監督は、マイウェン(Maïwenn)。脚本は、マイウェン(Maïwenn)、テディ・ルシ=モデステ(Teddy Lussi-Modeste)、ニコラ・リベッチ(Nicolas Livecchi)。撮影…

展覧会 タニグチカナコ個展『取るに足りない』

展覧会『タニグチカナコ「取るに足りない」』を鑑賞しての備忘録新宿眼科画廊〔スペースS〕にて、2024年2月2日~7日。 絡まり、重なる手指などをモティーフに和紙に描かれた絵画で構成される、タニグチカナコの個展。 《eye》(910mm×910mm)は、上側3分の1が…

映画『Here』

映画『Here』を鑑賞しての備忘録2023年製作のベルギー映画。83分。監督・脚本は、バス・ドゥボス(Bas Devos)。撮影は、グリム・バンデケルクホフ(Grimm Vandekerckhove)。美術は、スペラ・トゥサール(Spela Tusar)衣装は、クロエ・ヴァスラン=ダンドル(Chlo…

展覧会 吉田和夏個展『まばゆい迷路』

展覧会『吉田和夏「まばゆい迷路」』を鑑賞しての備忘録GALLERY MoMo Ryogokuにて、2024年1月13日~2月17日。 恐竜をモティーフとした絵画などで構成される、吉田和夏の個展。 《Bell Ringer》(621mm×515mm)には、図鑑の拍子を開いた見返しの部分の周囲に、…

映画『葬送のカーネーション』

映画『葬送のカーネーション』を鑑賞しての備忘録2022年製作のトルコ・ベルギー合作映画。103分。監督は、ベキル・ビュルビュル(Bekir Bülbül)。脚本は、ビュシュラ・ビュルビュル(Büsra Bülbül)とベキル・ビュルビュル(Bekir Bülbül)。撮影は、バルシュ・ア…

展覧会 間瀨結梨奈個展『のぞくあしもと』

展覧会『間瀨結梨奈『「のぞくあしもと」』を鑑賞しての備忘録Bambinart Galleryにて、2024年1月17日~~2月3日。 主に馬や鳥をモティーフとしたノスタルジックな雰囲気を持つ絵画16点で構成される、間瀨結梨奈の個展。 《untitled》(410mm×318mm)は、厩舎で…

本 桐野夏生『日没』

桐野夏生『日没』〔岩波現代文庫 文芸352〕岩波書店(2023)を読了しての備忘録 松重カンナは中央線沿線で一人暮らしをしている40代前半の小説家。筆名は「マッツ夢井」。世の中に絶望していると言いながらも、世間一般の常識とは懸け離れた事象にこそ人間の本…

展覧会 森山大道個展『TOKYO』

展覧会『森山大道個展「TOKYO」』を鑑賞しての備忘録Akio Nagasawa Gallery Ginzaにて、2024年1月11日~3月30日。 モノクロームの写真で構成される、森山大道の個展。 2段4列の8点組が3つある。そのうちの1つは、クラブあるいはキャバレーの入口に姿を現わす…

映画『哀れなるものたち』

映画『哀れなるものたち』を鑑賞しての備忘録2023年製作のイギリス映画。142分。監督は、ヨルゴス・ランティモス(Yorgos Lanthimos)。原作は、アラスター・グレイ(Alasdair Gray)の小説『哀れなるものたち』。脚本は、トニー・マクナマラ(Tony McNamara)。撮…

映画『みなに幸あれ』

映画『みなに幸あれ』を鑑賞しての備忘録2024年製作の日本映画。89分。監督・原案・編集は、下津優太。脚本は、角田ルミ。撮影は、岩渕隆斗。照明は、中嶋裕人。録音は、紙谷英司。美術は、松本慎太朗。スタイリストは、上野圭助。メイクは、木戸友子。CGは…

展覧会 中村葵個展『可能でなく、不可能でないやり方』

展覧会『中村葵「可能でなく、不可能でないやり方」』を鑑賞しての備忘録ボヘミアンズ・ギルド・ケージにて、2024年1月11日~28日。 ネズミ撃退器をネズミと勘違いした経験を元にしたデジタルアニメーション《ラットゥスの家》(2021)、地球に遍在するシアノ…

映画『弟は僕のヒーロー』

映画『弟は僕のヒーロー』を鑑賞しての備忘録2019年製作のイタリア・スペイン合作映画。102分。監督は、ステファノ・チパーニ(Stefano Cipani)。原作は、ジャコモ・マッツァリオール(Giacomo Mazzariol)の小説『弟は僕のヒーロー(Mio fratello rincorre i di…

展覧会 木村萌個展『ふきよせ』

展覧会『木村萌展「ふきよせ」』を鑑賞しての備忘録Luft+altにて、2024年1月6日~14日。 紗のように透き通る布や不定形の木片を支持体とした絵画で構成される、木村萌の個展。 《composition》(180mm×140mm)には、豆と凹凸のある鞘とを描いた作品。7つの鞘を…

展覧会 鈴木のぞみ個展『Words of Light』

展覧会『鈴木のぞみ展「Words of Light」』を鑑賞しての備忘録第一生命ギャラリーにて、2024年1月17日~2月7日。 日常に存在する穴をピンホールカメラの穴として用いて撮影した写真によって構成される、鈴木のぞみの個展。 《小川町の穴》は、スライド映写機…

映画『緑の夜』

映画『緑の夜』を鑑賞しての備忘録2023年製作の中国映画。92分。監督は、ハン・シュアイ(韩帅/Shuai Han)。脚本は、ハン・シュアイ(韩帅/Shuai Han)とレイ・シェン(雷声/Sheng Lei)。撮影は、マティアス・デルボー(Matthias Delvaux)とキム・ヒョンソク(김현…

展覧会 愛甲次郎個展『ピアニシモな鎧』

展覧会『愛甲次郎「ピアニシモな鎧」』を鑑賞しての備忘録TAKU SOMETANI GALLERYにて、2023年12月20日~2024年1月21日。 雲肌麻紙に鉛筆と墨とで描いた、往年のモノクロームのハリウッド映画のワンシーンのような肖像画で構成される、愛甲次郎の個展。 出展…

映画『サン・セバスチャンへ、ようこそ』

映画『サン・セバスチャンへ、ようこそ』を鑑賞しての備忘録2020年製作のスペイン・アメリカ・イタリア合作映画。88分。監督・脚本は、ウッディ・アレン(Woody Allen)。撮影は、ビットリオ・ストラーロ(Vittorio Storaro)。美術は、アライン・バイネ(Alain B…