可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

展覧会『マルセル・デュシャンと日本美術』

展覧会『マルセル・デュシャンと日本美術』を鑑賞しての備忘録

 

東京国立博物館(平成館)。2018年10月2日~12月9日。

 

東博で開催する意義を「と日本美術」で打ち出したかったのだろうか。デュシャンと日本の美術とをアナロジーでつなごうとしたとして、利休の器を「レディ・メイド」と言い張るのは牽強付会の説との譏りを免れないのではないか。最後に設けられた第二部・日本美術のセクションは、蛇足以外の何物でもない。もし竹橋の美術館で展覧会が実現していれば、こんなことにはならなかっただろう。

 

デュシャン第一次世界大戦の頃、ブエノスアイレスに滞在していたことを知った。デュシャンがバルコニーに書物をかけさせるレディ・メイドのアイデアを実現していたことも。ロベルト・ボラーニョの『2666』に書物を洗濯物のように吊るす場面が出て来た(と記憶している)が、デュシャンが元ネタだったのだな、と。