展覧会 あざみ野コンテンポラリーvol.9『今もゆれている』を鑑賞しての備忘録
横浜市民ギャラリーあざみ野にて、2018年9月28日~10月21日。
西村有の絵画について。
自動車や電車から風景を眺めるとき、窓ガラスの外側に広がる景色に意識が向いているときには、窓ガラスそのものの汚れや、窓ガラスに映り込んだ車内や反対側の景色は気にならない。それでも眼には入ってきているはずで、だからこそ、窓ガラスにつく雨滴や、車内の人の姿や、反対側の景色へと興味が移っていくこともあるのだろう。
西村有の描く絵は、特定の場面だけをスナップショットのように切り取るのではなく、対照を次々と変えていく視線の動き、あるいは関心の移り変わりといった、見る行為の不安定さを定着させようとしているかのようで、風景画や写真の虚構性を炙り出すかのようで、面白い。