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芸術鑑賞の備忘録

展覧会『玉 古代を彩る至宝』

展覧会『玉 古代を彩る至宝』を鑑賞しての備忘録
江戸東京博物館(常設展示室内5階企画展示室)にて2018年10月23日~12月9日。

古代歴史文化協議会の共同調査研究「古墳時代の玉類」の成果に基づき、古墳時代の出土玉類を紹介する企画。

玉(たま)は装身具。中国から入った玉(ギョク)は装身具に限らず広井用途のため、区別する。
旧石器時代末から玉が出土するが、骨・牙を素材とするもの。縄文時代末から翡翠の玉が出土。石を加工するのは大変な技術を要する。弥生時代には輸入されたガラスを素材とする玉が現れる。
山陰、北陸、関東では玉に適した石材が産出する。山陰・北陸には大規模に玉を常設の加工場が存在したが、関東では一時的な加工施設だった模様。ヤマト王権の勢力圏である橿原にも工房があったが、古墳時代後期には出雲が一手に製造を引き受ける体制となる。

 

出雲はやはり特殊な場。

勾玉の不思議な形についての研究成果を期待したが、形に関する説明はほとんどなく、縄文時代の「牙玉」がルーツというのが有力説とのこと。胎児や幼虫の形とは無関係ということか。