可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

展覧会『"In Goude we trust!" ジャン=ポール グード展覧会』

展覧会『"In Goude we trust!" ジャン=ポール グード展覧会』を鑑賞しての備忘録
シャネル・ネクサス・ホールにて、2018年11月28日~12月25日。

20年以上にわたりシャネルに関わる仕事を手掛けてきたアーティスト・ジャン=ポール・グードを紹介する展覧会。

エレベーター・ホールから展示室へ向かう通路の壁面には、人物・身体をモティーフとしたドローイングを正方形の画面(写真)に揃えて紹介している。グードはパリでイラストレーターとしてキャリアをスタートしているとのことだが、ファッション・ドローイングやグラフィティ・アート、あるいはエゴン・シーレのような画家の描いたヌードを連想させるものまで多彩な内容。描線も軽やかで魅力的だが、メンディング・テープなどを用いた切り貼りによって鮮やかに構成される作品に感服する。黒人の体つきや肌の輝きへの関心は、グレイスのシリーズなどに活かされている(とりわけ《加工/アップデートされたグレイス》が印象的)。

展示室の正面には、小さな画面を多数組み合わせたインスタレーション作品《All singing, all dancing(皆歌い、皆踊る)》が設置され、音楽に合わせた映像が流れる。展示室内の壁面ではシャネルの広告を紹介。数字の「5」や「N」とエステラ・ウォーレンとを組み合わせたシャネルNo.5や、ヴァネッサ・パラディとマイクを赤いコードでつないだココ・シャネルなど目をひく作品が並ぶが、とりわけ賑やかで楽しげなチャンスのシリーズが魅力的。

展示室の中央には《ファイヤー》という作品があり、インスタレーションを超えた「総合芸術作品」を見ることができる。

別室で、映像作品《ストーミー ウェザー》の展示や、映画《SO FAR SO GOUDE》の上映も行われている。