映画『ボヘミアン・ラプソディ』を鑑賞しての備忘録
2018年のアメリカ映画。
監督はブライアン・シンガー。
イギリスのロックバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリーを描いた伝記映画。
ギタリストのブライアン・メイ(グウィリム・リー)とドラマーのロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)のバンドに、フレディ(ラミ・マレック)が自らを売り込んで加入する。車を売却して制作したアルバムが音楽プロデューサーの目にとまり、「クイーン」としての活動が軌道に乗る。斬新なアプローチで曲作りを行い、世界でツアーを行うまでに成功するが、メンバー間の不和やフレディーのソロ活動でバンドは活動を休止。チャリティー・コンサート「ライヴ・エイド」を機にクイーンが復活を遂げるまでが描かれる。
出自に対する差別、性的指向から生じた妻との不和、音楽性をめぐってのレコード会社との対立、メンバー間の諍い、エイズの発症など様々な問題が描かれる。だが、それらがフレディやクイーンに影を投げかけるものだとしても、成功を妨げるほどのインパクトを与えるものとしては描かれていない。そのため淡々としたフレディのサクセス・ストーリーに見えた。クライマックスの「ライヴ・エイド」は高揚感をもたらすコンサートを再現していたが、この映画が大ヒットしている理由はつかめず終いだった。