可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

展覧会 村瀬恭子個展『park』

展覧会『村瀬恭子「park」』を鑑賞しての備忘録
タカ・イシイギャラリー 東京にて、2019年1月11日~2月16日。

村瀬恭子の絵画展。

《winter park》と題された大画面の絵画3点が中心となる。ピンク、水色、茶色など、作品ごとに用いる色が異なっているが、いずれも特定の1色を中心に、植物のあふれる公園に佇む女性像を描いている。色数を抑えて描いている効果はもとより、風を表すような白色の微かな流れるような描き込みにより、台座らしきものの内に座る女性と、波のように周囲を埋め尽くす植物とタイルや柱のような構造物とが画面の中で渾然一体となっている。その一体感は観る者を強く惹きつけて止まない。水を用いず循環する生命を表す枯山水の庭を眺めるような趣向さえ感じられるだろう。人間と関わり合いのある植物はおよそ人工的であるという「自然」という概念の曖昧さをめぐる平子雄一の問題意識にも通じる。