可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

展覧会『JAGDA新人賞展2019』

展覧会『JAGDA新人賞展2019』を鑑賞しての備忘録
クリエイションギャラリーG8にて、2019年5月28日~6月29日。

将来有望なグラフィックデザイナーに贈られる「JAGDA新人賞」の今年度(第37回)の受賞者、赤沼夏希・岡崎智弘・小林一毅の3名の仕事を紹介する企画。

 

赤沼夏希が手がけた「みやこの鯖寿し」。ポスターに大写しになった鯖の写真の美しさと、庖丁の入った鯖寿司の形をもとに、クライアントである美濃吉のMやミ(=3)もイメージしていると思われる螺旋状の墨(毛筆)による鯖寿司のロゴ・マークの洒脱味が良い。

赤沼夏希が個展のポスターなどを手がけたイラストレーターの一乗ひかるの作品が何より印象に残った。女性像のイラストレーションで、下半身をローアングルで捉えた構図。大きく描かれたシューズ、そして、そこから長く伸びる脚に導かれるように脚の付け根へと視線が引っぱられ、短いタイトなスカートへ。エロティックな魅力をあけすけに放ちながら、その核心に触れる寸前、鮮やかに翻って視線を躱していくような、爽快さを余韻として味わわせる。ポスターの前に跪かされてしまう。