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芸術鑑賞の備忘録

映画『ハッピー・デス・デイ』

映画『ハッピー・デス・デイ』を鑑賞しての備忘録
2017年のアメリカ映画。
監督は、クリストファー・ランドン(Christopher Landon)。
脚本は、スコット・ロブデル(Scott Lobdell)。
原題は、"Happy Death Day"。


トゥリー(Jessica Rothe)が目を覚ますと見覚えのない部屋のベッドにいる。ひどい頭痛がする。枕元の電話が鳴る。父デイヴィッド(Jason Bayle)からの電話だと分かって無視する。起こそうかどうか迷ったと声を男子学生(Israel Broussard)が声をかけてくる。彼のことをよく覚えていない。洋服はどこか尋ね、着替えながら頭痛薬を要求すると、彼はあちこちを探し廻して何とか見つけ出す。水をもらって薬を飲みこむ。彼は「カーター」だと名乗る。気分の悪いトゥリーはカーターを軽くあしらいドアへ向かう。ドアには「今日が人生の残りの最初の日」というステッカーが貼ってあり、ドアを開けると「メス犬とやったか」とカーターのルームメイト・ライアン(Phi Vu)と鉢合わせになる。男子寮を出ると、女子学生に署名を求められ、スプリンクラーが撒水し始め、新入生が卒倒する。1度デートしたティム(Caleb Spillyards)にメールの返信を求められるのをかわし、女子寮の入口にいたエミリー(Tran Tran)の挨拶を無視する。部屋に向かおうとするトゥリーをダニエル(Rachel Matthews)が呼び止め、ランチタイムのミーティングへ出席するよう告げる。部屋ではロリ(Ruby Modine)がトゥリーが出迎える。授業に遅れると慌てて教科書を探し部屋を出ようとするトゥリーに、ロリは免許証で知ったトゥリーの誕生日を手作りのケーキで祝う。だが、ロウソクを吹き消すと、トゥリーはゴミ箱へ投げ入れてしまう。遅刻して出席したのはグレゴリー・バトラー教授(Charles Aitken)の講義。講義の後、トゥリーは大学病院にあるバトラー教授の部屋へ向かう。今日は患者が多く忙しいと拒む教授に私も患者だと迫るトゥリー。だが、グレゴリーの妻ステファニー(Laura Clifton)がやって来たため、トゥリーは慌てて退室する。寮へ戻ると、ダニエルが勝手にトゥリーの服を借りてめかし込んでいる。パーティーに遅れないようにとトゥリーに告げる。遅れてパーティーに向かうトゥリーは、人気の無いトンネルに、ハッピーバースデートゥーユーを奏でるオルゴールが置かれているのを見つける。不気味に思うトゥリーが振り返ると、大学のマスコットのお面を被った人物が見ている。怖くなって逃げ出したトゥリーに追いついたお面の人物はトゥリーにナイフを振り下ろす。悲鳴を上げたトゥリーが目を覚ますと、そこは「今朝」のカーターの部屋。枕元の電話が鳴ると父からの電話で、カーターが「今朝」と同じように声をかけてくるのだった。

ホラー・サスペンス。仮面の人物ということしか分からない殺人鬼に追われる主人公の恐怖を描くスリリングなストーリーでありながら、殺害シーンは残酷さを抑えた演出にしてあるため、ホラーが苦手な人でも楽しめるだろう。

最初にトゥリーの「ビッチ」ぶりがしっかりと描かれ、繰り返される惨劇に困憊するうち、トゥリーが、自らの不品行の数々を悔い改め、恐怖の輪廻から解脱してハッピーエンドを迎える。と思いきや、その道徳的(?)な流れから、さらにストーリーが展開していく点が良い。

Universal Picturesのオープニングロゴで、作品の特徴を表しているのも見逃せない。

本作はきちんと完結しているが、続編も近日公開。エンドロール後に続編"Happy Death Day 2U"の予告編が流れる。