映画『ホームステイ ボクと僕の100日間』を鑑賞しての備忘録
2018年のタイ映画。
監督は、パークプム・ウォンプム(ภาคภูมิ วงศ์ภูมิ)。
脚本は、ソットポン・チプティナコーン(ทศพล ทิพย์ทินกร)、ジラサヤ・ウォンスチン(จิรัศยา วงษ์สุทิน)、アフィチョク・チャンタラセン(อภิโชค จันทรเสน)、エカシット・タイラット(เอกสิทธิ์ ไทยรัตน์)、パークプム・ウォンプム(ภาคภูมิ วงศ์ภูมิ)。
原作は、森絵都の小説『カラフル』。
原題は、"โฮมสเตย์"。英題は、"Homestay"。
「あなたは当選しました。」という声を聞いて、覚醒する。シーツで覆われた身体は、何も身に着けていない若い男性(ธีรดนย์ ศุภพันธุ์ภิญโญ)のものだ。左右のストレッチャーに、シーツを被された人がいて、遺体安置所であることが分かる。ストレッチャーから落ちるように降り、這って扉を開ける。イヤフォンをして手を洗浄する女性スタッフにしがみつくと、彼女は悲鳴を上げる。再び目を覚ますと、病室のベッドにいる。ソファには母親らしき女性(สู่ขวัญ บูลกุล)が座ったまま眠っている。病室を抜け出すと、突然現れる医師や看護師から「逃げるのか」と激しく詰問される。意味が分からず恐怖のあまり逃げだそうとエレベーターに向かうが、正常に作動していない。やむを得ず窓から逃げ出すと、外は激しい雨が降っている。壁伝いに移動しようとして滑落すると、途中で壁面が地面のようになり、窓にとどまることができている。窓清掃の作業員(นพชัย ชัยนาม)が壁を垂直に歩いて近づいて来て、「当選」した人間の「管理人」と称する。そして、当選者は他人の身体で再生の機会を与えられたのだと説明される。病室に戻り眠っていると、様子を見に来た看護師(เฌอมาลย์ บุญยศักดิ์)が外れた点滴を注射しようとする。この看護師に、突然「管理人」が乗り移り、魂が男子高校生ミンの身体に「ホームステイ」していること、100日間という期限内にミンの自殺の真相を明らかに出来なければ、再度死ぬだけでなく、二度と転生はできなくなると「ミン」に告げる。やむを得ず「ミン」は、ミンの自殺の理由を探るべく、ミンの生活を開始するのであった。
『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の製作チームの最新作ということで興味を持った。原作は読んでいない。
謎解きは理解できるが、ミンの持つ魅力についてもう少し丁寧に説明して欲しかった。そうでなければパイ(เฌอปราง อารีย์กุล)やリー(ศรุดา เกียรติวราวุธ)が夢中になる理由が納得できない(結局ルックスか)。また、兄メン(ณัฐสิทธิ์ โกฏิมนัสวนิชย์)との確執も今ひとつ理解できないままだった。
悩みというものは、悩む本人にとってはいかんともしがたいものなのだ。思春期・青春期ならなおさらのことだろう。
「管理人」の登場シーンを異次元として見せる表現に工夫があった。