映画『ワイルド・ローズ』を鑑賞しての備忘録
2018年製作のイギリス映画。102分。
監督は、トム・ハーパー(Tom Harper)。
脚本は、ニコール・テイラー(Nicole Taylor)。
撮影は、ジョージ・スティール(George Steel)。
編集は、マーク・エカーズリー(Mark Eckersley)。
原題は、"Wild Rose"。
ローズ=リン・ハーラン(Jessie Buckley)が、壁に貼ったナッシュビルの地図をたたみ、CDやヘッフォンを透明なビニール袋に片付けていく。看守がドアを開け、独房を出る。もうカントリーを聞かなくて済むなどと看守に憎まれ口を叩かれたり、他の在監者に「第二のドリー・パートン!」などと別れを告げられながら、ローズ=リンは刑務所内の扉をいくつも抜けていく。GPSタグを付けられたローズ=リンは、ロングブーツが履きづらくて苛立つ。最後に「戻ってくるなよ」と告げられて、ようやく刑務所を後にする。地元グラスゴーで最初に向かったのはエリオット(James Harkness)の住まい。欲望を満たしたローズ=リンは、母マリオン(Julie Walters)の家へ。在監者にヘロインを渡した罪で服役していた1年間、娘のワイノナ(Daisy Littlefield)と息子のライル(Adam Mitchell)はマリオンが面倒を見ていた。ライルはローズ=リンの姿を見てすぐに飛びついてきたが、ワイノナは沈黙を保ったまま。パン屋で勤続20年のマリオンは、孫たちのためにローズ=リンに手に職を付けてもらいたいと願っている。だが、ローズ=リンは、ライブハウス「グランド・オール・オプリ」のステージに復帰し、歌手活動を再開するつもりでいる。翌日、マリオンや子どもたちとともに1年ぶりに自宅に戻ったローズ=リン。当局によって受信機が電話機に取り付けられ、夜7時から朝7時までは自宅に滞在していなければならない。子どもたちはマリオンがそばにいないことに不安を覚えている。ローズ=リンは、マリオンの伝でスザンナ(Sophie Okonedo)の屋敷で清掃の仕事を始める。ヘッドフォンで音楽を聴きながら掃除機をかけているうち、いつしか大声で歌唱しているローズ=リン。帰宅したローリー(Ryan Kerr)とネル(Nicole Kerr)は歌声に感動するが、ローズ=リンは双子に初めて出遭い「シャイニング!」と驚く。子どもたちからローズ=リンの歌の才能について聞かされたスザンナは、ローズ=リンにオーディション番組への出演を促すが、視聴者のためのものであって歌い手のためのものではないと拒絶される。ナッシュビルが本場のカントリーを理解しているのは、イギリスでは自分とボブ・ハリス(Bob Harris)くらいのものだと言い放つローズ=リンに、スザンナはある提案をするのだった。
主人公ローズ=リン・ハーランを演じたJessie Buckleyは演技も歌唱も見事。母マリオン(Julie Walters)と娘ワイノナ(Daisy Littlefield)との関係や彼女たちの演技も良い。
男性不在で進行していくのは、アナ雪的傾向?(映画『アナと雪の女王』は未見なので聞きかじりの情報で判断。なお、映画『アナと雪の女王2』は鑑賞済み)
比較するなら、ブラッドリー・クーパー監督の映画『アリー/ スター誕生(A Star Is Born)』(2018)よりは、ジョン・カーニー監督『はじまりのうた(Begin Again)』(2013)では?(『はじまりのうた』を未見の方には是非鑑賞を。キーラ・ナイトレイが(いつものことだが)素晴らしい!)
"Three Chords And The Truth"。