可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

展覧会『水―伊勢﨑淳・巖谷國士・桑原弘明・福田淳子―』

展覧会『水―伊勢﨑淳・巖谷國士桑原弘明福田淳子―』を鑑賞しての備忘録
日本橋高島屋〔美術画廊X〕にて、2020年12月9日~28日。

水をテーマに、伊勢﨑淳の備前焼巖谷國士の写真、桑原弘明のスコープ・オブジェ、福田淳子の絵画を紹介。

展示空間の一番奥の壁に飾られた巖谷國士の写真《裏磐梯1(福島)火山記念館》は、磐梯山の地下にあるマグマの模型を撮影したもののようだが、赤い目に見える。すると、左隣にあると巖谷の写真《樂翠亭1(富山)》の円形の石製の苔生した蹲踞(?)もまた緑色の目に見える。この2点の写真を挟むように設置されている桑原弘明のスコープ・オブジェは、鑑賞者に覗くことを誘う。見ることと見られることとが強く印象づけられる構成になっている。巖谷の写真《カルダス・ダ・ライニャ(ポルトガル)妖精の出現》にも芒のような丈の高い草とそれを映す池とが目として現れている。そして、《ボン・ジェズス・ド・モンテ1(ポルトガルシュルレアリスムの女》には目から水を吹き出す石像が捉えられている。水と目。その関係。