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芸術鑑賞の備忘録

映画『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』

映画『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』を鑑賞しての備忘録
2019年のアメリカ映画。
監督は、ジョン・ワッツ(Jon Watts)。
脚本は、クリス・マッケーナ(Chris McKenna)とエリック・ソマーズ(Erik Sommers)。
原作は、スタン・リー(Stan Lee)とスティーブ・ディッコ(Steve Ditko)。
原題は、"Spider-Man: Far From Home"。

宇宙の約半数の生命が失われた大厄災「ブリップ」から、トニー・スターク(Robert Downey Jr.)を始めとするアベンジャーズの活躍によって、人々が復活を遂げた後の世界を舞台にしている。
メキシコで、「顔を持つ」ハリケーンによる大規模な被害が報告される。S.H.I.E.L.D.のニック・フューリー(Samuel L. Jackson) とマリア・ヒル(Cobie Smulders)が現場で惨状を確認し、パニックに陥った人々の錯覚だろうと判断する。そこへクエンティン・ベック(Jake Gyllenhaal)が突然姿を現わし敵か味方か判断しかねているところを怪物に急襲され、ベックが応戦する。
その頃、ニューヨークのミッドタウン科学技術高校は夏休みを迎えようとしていた。ピーター・パーカー(Tom Holland)はヨーロッパをめぐる研修旅行でクラスメイトのMJ(Zendaya)にブラック・ダリアのブローチをプレゼントする計画を相棒のネッド(Jacob Batalon)に打ち明けるが、早々に却下されていた。ピーターがスパイダーマンとして、養母メイ(Marisa Tomei)のチャリティ活動に参加すると、そこへスタークのサポート役だったハッピー・ホーガン(Jon Favreau)が現れる。ホーガンは、フューリーが招集をかけていることをピーターに告げるが、MJとの旅行が楽しみなピーターは頑なに電話に出ない。
ピーターたちの研修旅行の最初の目的地はヴェネツィアだった。ゴンドラで遊覧し美術館見学までの間、自由な散策を楽しんでいると、運河の中から巨大な怪物が突然姿を現わす。パニックに陥る人々をピーターがスパイダーマンのスーツなしに助けているうちに、ベックが現れ、怪物を何とか撃退する。その晩、フューリーはピーターの滞在するホテルを訪れ、ピーターをS.H.I.E.L.D.の拠点へと連れ出す。そこで、フューリーは、スタークの遺品である眼鏡をピーターに手渡した。司令部にはヴェネツィアの危機を救ったヒーローとして「ミステリオ」の名でメディアを賑わせていたベックの姿があった。ベックは並行世界の地球に暮らしていたが、地・水・風・火の怪物に故郷や家族を奪われてしまったという。並行世界の地球と同じタイミングで怪物が現れることを察知したベックは、フューリーらとともに次に怪物が現れる見込みのプラハで迎撃する計画を立てる。ピーターがこの作戦には参加できないと断ると、ピーターが拍子抜けするほどあっさりと解放された。だが、翌朝、ピーター一行の目的地はプラハに変わっているのだった。

 

コメディ基調のアクション・エンターテインメントに、青年の成長譚、学園物語、ラヴ・ストーリーを織り交ぜた上、スパイダーマンの敵にはポスト・トゥルースを象徴させ、社会諷刺もしっかり利かせている(ちなみに無数のドローンは中国っぽい)。最後までハラハラさせて、最後の最後にそんな話題をふるなんて…。次作も見ないわけにはいかない。
前作『ホームカミング』からマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)へ組み込まれた新スパイダーマンの第2作で、今年公開の『キャプテン・マーベル』や『アベンジャーズ/エンドゲーム』を始めとするマーベル作品との連関を楽しめる。だが、それらを見ていなくとも本作だけで十二分に満足できる作品だ。スパイダーマンとMJとの某シーンは『グレイテスト・ショーマン』をもMCUに組み込む策略か(違う)。