可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

展覧会 SAKI OTSUKA個展『DEMO GIRL』

展覧会『SAKI OTSUKA「DEMO GIRL」』を鑑賞しての備忘録長亭GALLERYにて、2024年3月2日~17日。 女性、花、鳥などをモティーフとした絵画・立体作品を中心とする、SAKI OTSUKAの個展。 メインヴィジュアルに採用されている《空白の鏡》(455mm×380mm)は、身体…

映画『12日の殺人』

映画『12日の殺人』を鑑賞しての備忘録2022年製作のフランス映画。121分。監督は、ドミニク・モル(Dominik Moll)。原案は、ポーリーヌ・ゲナ(Pauline Guéna)のノンフィクション"18.3 - Une année à la PJ"。脚本は、ジル・マルシャン(Gilles Marchand)とドミ…

映画『ビニールハウス』

映画『ビニールハウス』を鑑賞しての備忘録2022年製作の韓国映画。100分。監督・脚本・編集は、イ・ソルヒ(이솔희)。撮影は、ヒョン・バウ(형바우)。音楽は、キム・ヒョンド(김현도)。原題は、"비닐하우스"。 未明の農地に鳥の鳴き声が響き渡る。1棟の黒いビ…

展覧会 桑原理早個展

展覧会『桑原理早展』を鑑賞しての備忘録ギャラリーなつかにて、2024年3月9日~16日。 様々なポーズの女性の身体を組み合わせた絵画で構成される、桑原理早の個展。 《姿見》(910mm×652mm)には身体を捻った姿の女性を中心に、頭を抱えて蹲る女性など数人の女…

展覧会 平山昌尚個展『ART SHOW 2』

展覧会『隙間 12.0 平山昌尚「ART SHOW 2」』を鑑賞しての備忘録隙間にて、2024年3月9日~17日。 灰色の画面に青い絵具で"ART"と"→"とを描いた案内板のような作品を会場に巡らせた、平山昌尚の個展。 床も壁も柱も天井もコンクリートが剥き出しの会場の入口…

映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』

映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』を鑑賞しての備忘録2023年製作のイギリス・アメリカ合作映画。104分。監督は、タイカ・ワイティティ(Taika Waititi)。原作は、マイク・ブレット(Mike Brett)とスティーヴ・ジャミソン(Steve Jamison)のドキュメンタリー映…

展覧会 高木由利子個展『カオスコスモス 弐 桜』

展覧会『高木由利子写真展 カオスコスモス 弐 桜』を鑑賞しての備忘録GYRE GALLERYにて、2024年3月1日~4月29日。 桜をモティーフとした写真で構成される、高木由利子の個展。 会場入口の向かいにある最初の展示室の壁面には、桜の花びらが水面に浮かぶ(あ…

映画『マダム・ウェブ』

映画『マダム・ウェブ』を鑑賞しての備忘録2024年製作のアメリカ映画。116分。監督は、S・J・クラークソン(S. J. Clarkson)。原案は、ケレム・サンガ(Kerem Sanga)、マット・サザマ(Matt Sazama)、バーク・シャープレス(Burk Sharpless)。脚本は、マット・サ…

映画『DOGMAN ドッグマン』

映画『DOGMAN ドッグマン』を鑑賞しての備忘録2023年製作のフランス映画。114分。監督・脚本は、リュック・ベッソン(Luc Besson)。撮影は、コリン・ワンダースマン(Colin Wandersman)。美術は、ユーグ・ティサンディエ(Hugues Tissandier)。衣装は、コリーヌ…

展覧会 平俊介個展『茫漠建設現場の夜』

展覧会『平俊介「茫漠建設現場の夜」』を鑑賞しての備忘録GALLERY MoMo Ryogokuにて、2024年2月24日~3月30日。 空想の建物を中心とした都市景観を描くアクリルガッシュのペインティング、空想建築の構想を表わした鉛筆によるドローイング、空想の建築模型で…

本 津村記久子『君は永遠にそいつらより若い』

津村記久子『君は永遠にそいつらより若い』〔ちくま文庫つ-16-1〕筑摩書房(2009)を読了しての備忘録 映画『君は永遠にそいつらより若い』(2021)の原作。 堀貝佐世は京都にある束谷大学の文学部社会学科の4回生。2年生から講座に通い、社会福祉主事の課程を修…

展覧会『エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ2 つかの間の停泊者』

展覧会『エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ2 つかの間の停泊者』を鑑賞しての備忘録銀座メゾンエルメス フォーラムにて、2024年2月16日~5月31日。 ニコラ・フロック、ケイト・ニュービー、保良雄、ラファエル・ザルカの作品を展観。 保良…

展覧会『能作文徳+常山未央展:都市菌――複数種の網目としての建築』

展覧会『能作文徳+常山未央展:都市菌――複数種の網目としての建築』を鑑賞しての備忘録TOTOギャラリー・間にて、2024年1月18日~3月24日。 建築家の能作文徳と常山未央の活動を紹介する企画。「都市菌(としきのこ)」とは、都市生活から生じた廃材を養分に…

映画『ボーはおそれている』

映画『ボーはおそれている』を鑑賞しての備忘録2023年製作のアメリカ映画。179分。監督・原案・脚本は、アリ・アスター(Ari Aster)。撮影は、パベウ・ポゴジェルスキ(Pawel Pogorzelski)。美術は、フィオナ・クロンビー(Fiona Crombie)。衣装は、アリス・バ…

展覧会『ジョージ・ホイニンゲン=ヒューン写真展 Master of Elegant Simplicity』

展覧会『ジョージ・ホイニンゲン=ヒューン写真展 Master of Elegant Simplicity』を鑑賞しての備忘録シャネル・ネクサス・ホールにて、2024年2月7日~3月31日。 ジョージ・ホイニンゲン=ヒューン(1900-1968)の写真展。代表的なファッション写真を中心に、…

展覧会 ネルソン・ホー個展『赤い空に飛んでいた赤い鳥』

展覧会『KYOBASHI ART WALL―ここから未来をはじめよう 第4回優秀作家展覧会 ネルソン・ホー「赤い空に飛んでいた赤い鳥」』を鑑賞しての備忘録KYOBASHI ART ROOMにて、2024年2月28日~3月10日。 赤い岩絵具による描線が印象的な絵画と、砂漠と化した部屋をテ…

展覧会『広がるコラージュ』

展覧会『広がるコラージュ』を鑑賞しての備忘録目黒区美術館〔展示室A〕にて、2024年2月17日~3月24日。 身近にある様々な素材を切り取り、組み合わせる手法であるコラージュは、パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックにより油彩画に布や紙片が貼り付けられ…

展覧会『恵比寿映像祭2024 月へ行く30の方法』

展覧会『恵比寿映像祭2024 月へ行く30の方法』を鑑賞しての備忘録東京都写真美術館にて、2024年2月2日~18日。 映像の表現と受容の在り方が多様化する中、国内外の映像表現を通じて「映像とは何か」という問いを投げかけるシリーズ。第16回を迎える「恵比寿…

本 ニエル『悪なき殺人』

コラン・ニエル『悪なき殺人』〔新潮文庫ニ-4-1〕新潮社(2023)を読了しての備忘録Colin Niel, 2017, "Seules les bêtes"田中裕子訳 村出身の富豪の妻の失踪事件をきっかけにして明らかになる村の人々の姿を連作短篇小説のスタイルで描く。本作を原作とする映…

展覧会 今実佐子個展『息吹』

展覧会『今実佐子「息吹」』を鑑賞しての備忘録LOKO GALLERYにて、2024年1月26日~2月24日。 口紅など化粧品を用いて制作された絵画で構成される、今実佐子の個展。 《そして今日もまた眠るだけ 2015.10.12》(240mm×120mm×30mm)、《そして今日もまた眠るだけ…

展覧会『Window Gallery in Marunouchi―from AATM』

展覧会『Window Gallery in Marunouchi―from AATM』を鑑賞しての備忘録行幸地下ギャラリーにて、2024年1月12日~3月17日。 AATM2023のグランプリ受賞者・浅野克海、三菱地所賞・汪汀、過去のAATMに参加した奥村彰一、衣真一郎、橋本晶子、宮林妃奈子の作品を…

映画『落下の解剖学』

映画『落下の解剖学』を鑑賞しての備忘録2023年製作のフランス映画。152分。監督は、ジュスティーヌ・トリエ(Justine Triet)。脚本は、ジュスティーヌ・トリエ(Justine Triet)とアルチュール・アラリ(Arthur Harari)。撮影は、シモン・ボーフィス(Simon Beau…

展覧会『うるしとともに くらしのなかの漆芸美』

展覧会『うるしとともに くらしのなかの漆芸美』を鑑賞しての備忘録泉屋博古館東京にて、2024年1月20日~2月25日。 住友コレクションの漆芸品を展観。「宴のなかの漆芸美」、「茶会のなかの漆芸美」、「香りのなかの漆芸美」、「檜舞台のうえの漆芸美」、「…

展覧会 龍羽均個展『姉』

展覧会『龍羽均「姉」』を鑑賞しての備忘録長亭GALLERYにて、2024年2月14日~25日。 断片的なイメージの作品群を並べ、薔薇の花弁が散る会場全体で一人の人物の肖像を構成するような、龍羽均の個展。 《この瞬間は永遠に続く》(727mm×910mm)は、青い服を着た…

映画『ソウルメイト』

映画『ソウルメイト』を鑑賞しての備忘録2023年製作の韓国映画。124分。監督は、ミン・ヨングン(민용근)。脚本は、カン・ヒョンジュ(강현주)とミン・ヨングン(민용근)。原作は、アニー・ベイビー(安妮寶貝)の短編小説『七月と安生(七月与安生)』に基づく、デ…

展覧会『人物と静物』

展覧会『人物と静物』を鑑賞しての備忘録ギャラリー小柳にて、2024年2月3日~3月30日。 いくつかのコルクを描いた静物画《Commutation》をポートレートと捉えるミヒャエル・ボレマンス(Michaël Borremans)に倣い肖像画と静物画の関係を考察する企画、ボレマ…

展覧会『世界のブックデザイン 2022-23』

展覧会『世界のブックデザイン 2022-23』を鑑賞しての備忘録印刷博物館 P&Pギャラリーにて、2023年12月9日~2024年3月3日。 2023年4月にライプツィヒブックフェア(Leipziger Buchmesse)で発表された「世界で最も美しい本(Schönste Bücher aus aller Welt) 20…

展覧会『フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築』

展覧会『開館20周年記念展/帝国ホテル二代目本館100周年 フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築』を鑑賞しての備忘録パナソニック汐留美術館にて、2024年1月11日~3月10日。 フランク・ロイド・ライト(1867–1959)について、代表作「帝国ホテル2代目本館…

展覧会『ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家』

展覧会『ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家』を鑑賞しての備忘録東京オペラシティ アートギャラリーにて、2024年1月17日3月24日。 ガラス作家の山野アンダーソン陽子が、アンナ・ビヤルゲル、アンナ・カムネー、イルヴァ・カールグレン、…

展覧会 松平莉奈個展『3つの絵手本・10歳の欲』

展覧会『開発の再開発 vol.4 松平莉奈「3つの絵手本・10歳の欲」』を鑑賞しての備忘録gallery αMにて、2024年1月20日~3月16日。 価値観が揺れ動く社会に対し、ソーシャリー・エンゲイジド・アートのように直接に関与するアプローチに限らず、造形的表現や美…