可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

展覧会 萩原亜美個展『Palm-Sized Stories』

展覧会『萩原亜美「Palm-Sized Stories」』を鑑賞しての備忘録REIJINSHA GALLERYにて、2023年8月25日~9月8日。 萩原亜美の絵画展。 《A window of consciousness》(410mm×318mm)には、赤茶色の煉瓦造りの建物の窓が画面一杯に描かれる。そのガラスには落書…

展覧会『東京エフェメラ』

展覧会『東京エフェメラ』を鑑賞しての備忘録インターメディアテク〔GREY CUBE〕にて、2023年4月29日~9月3日。 官公庁や報道機関の出版物、企業や文化施設の広告・ポスター、アーティストの活動記録など、理想と現実を捉えた多様な「エフェメラ(一時印刷物…

展覧会 荒木珠奈個展『うえののそこから「はじまり、はじまり」』

展覧会『荒木珠奈個展「うえののそこから『はじまり、はじまり』」』を鑑賞しての備忘録東京都美術館〔ギャラリーA・B・C〕にて、2023年7月22日~10月9日。 荒木珠奈の個展。 舞台に降ろされたクリーム色のカーテンが開き、物語が始まることを《はじまり は…

展覧会『中村直人 モニュメンタル/オリエンタル』

展覧会『中村直人 モニュメンタル/オリエンタル 1950年代パリ、画家として名を馳せた“彫刻家”』を鑑賞しての備忘録目黒区美術館にて、2023年7月15日~9月3日。 中村直人(1905ー1981)の回顧展。彫刻家として活躍した前半生を紹介する第1章「彫刻家の弟子から…

映画『イノセンツ』

映画『イノセンツ』を鑑賞しての備忘録2021年製作のノルウェー・デンマーク・フィンランド・スウェーデン合作映画。117分。監督・脚本は、エスキル・フォクト(Eskil Vogt)。撮影は、シュトゥルラ・ブラント・グロブレン(Sturla Brandth Grøvlen)。美術は、シ…

展覧会『横尾龍彦 瞑想の彼方』

展覧会『横尾龍彦 瞑想の彼方』を鑑賞しての備忘録埼玉県立近代美術館にて、2023年7月15日~9月24日。 横尾龍彦(1928-2015)の回顧展。美術教師の傍ら制作を続けた1960年代の作品を紹介する第1章「北九州からヨーロッパ、東京へ」、垂らし込みやデカルコマニ…

映画『かかってこいよ世界』

映画『かかってこいよ世界』を鑑賞しての備忘録2023年製作の日本映画。80分。監督は、内田佑季。脚本は、畠中沙紀。撮影は、御園涼平。照明は、横尾慶。美術は、SAKI。録音は、森永昇吾。衣装が、中村絢。ヘアメイクは、菅沼凌子。編集は、橋田夏美。音楽は…

展覧会『あなたのアートを誰に見せますか?』

展覧会『あなたのアートを誰に見せますか?』を鑑賞しての備忘録東京藝術大学大学美術館 陳列館にて、2023年8月8日~27日。 リー・ムユン、岡田夏旺、海野 林太郎、パク・サンヒョン、青山悟、メラニー・ボナーヨ、アンドレア・バウアーズ&スザンヌ・レイシ…

展覧会 樋口愛個展『ひねもすのたり』

展覧会『樋口愛展「ひねもすのたり」』を鑑賞しての備忘録GALLERY b.TOKYOにて、2023年8月21日~26日。 目と口を表した丸い顔に胴と手足を配した、幼い子供が描く人物のようなキャラクターによって景観の雰囲気を表現した「葉っぱ童子」シリーズなどの絵画16…

展覧会 坂本美果個展『凪の中』

展覧会『坂本美果個展「凪の中」』を鑑賞しての備忘録KOMAGOME1-14casにて、2023年8月16日~27日。 絵画23点と立体作品《浮日草》で構成される坂本美果の個展。 《鳥狐が教えてくれる》(455mm×380mm)では、鳥狐が幻想の世界に誘うように翼を広げている。《赤…

展覧会 中根唯個展『目の奥でなでる』

展覧会 中根唯個展『目の奥でなでる』を鑑賞しての備忘録TAKU SOMETANI GALLERYにて、2023年8月9日~29日。 ポリ塩化ビニル管の先に取り付けた発泡ウレタンの支持体に描いた風景画や、スタイロフォームなどを成形した立体の表面にびっしりと獣の毛らしきもの…

映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』

映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』を鑑賞しての備忘録2022年製作のカナダ・ギリシャ合作映画。108分。監督・脚本は、デビッド・クローネンバーグ(David Cronenberg)。撮影は、ダグラス・コシュ(Douglas Koch)。美術は、キャロル・スピア(Carol Spi…

展覧会 棚田康司個展『空を見上げる』

展覧会『第30回平櫛田中賞受賞記念 棚田康司「空を見上げる」』を鑑賞しての備忘録日本橋髙島屋 本館6階 美術画廊Xにて、2023年8月9日~28日。 最新作、旧作に手を加えた作品、旧作で構成される棚田康司の彫刻展。全13点。 レリーフのように壁に架けられた女…

映画『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩』

映画『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』を鑑賞しての備忘録2021年製作のウクライナ・ポーランド合作映画。122分。監督は、オレシア・モルグレッツ=イサイェンコ(Олеся Моргунець-Ісаєнко/Olesya Morgunets-Isaenko)。脚本は、クセニ…

映画『裸足になって』

映画『裸足になって』2022年製作のフランス・アルジェリア合作映画。99分。監督・脚本は、ムニア・メドゥール(Mounia Meddour)。撮影は、レオ・ルフェーブル(Léo Lefèvre)。美術は、クロエ・カンブルナク(Chloé Cambournac)。衣装は、エマニュエル・ユーチノ…

映画『17歳は止まらない』

映画『17歳は止まらない』を鑑賞しての備忘録2023年製作の日本映画。96分。監督・脚本は、北村美幸。撮影は、田宮健彦。録音は、飴田秀彦。美術は、貝原クリス亮。編集は、清野英樹。音楽は、林魏堂。 鶏舎の藁の中にはたくさんのヒヨコがピヨピヨと鳴いてい…

展覧会『顕神の夢―霊性の表現者 超越的なもののおとずれ』

展覧会『顕神の夢―霊性の表現者 超越的なもののおとずれ』を鑑賞しての備忘録足利市立美術館にて、2023年7月2日~8月17日。 「顕神の夢」とは、場合によっては宗教の原因ともなり得る、現実世界を超えた場から来る合理的には説明のつかない「何か」を冀求す…

映画『バービー』

映画『バービー』を鑑賞しての備忘録2023年製作のアメリカ映画。114分。監督は、グレタ・ガーウィグ(Greta Gerwig)。脚本は、グレタ・ガーウィグ(Greta Gerwig)とノア・バームバック(Noah Baumbach)。撮影は、ロドリゴ・プリエト(Rodrigo Prieto)。美術は、…

展覧会『植物と歩く 練馬区立美術館コレクション+』

展覧会『練馬区立美術館コレクション+植物と歩く』を鑑賞しての備忘録練馬区立美術館にて、2023年7月2日~8月25日。 練馬区立美術館の所蔵作品から植物をモティーフにした作品80点弱に他館所蔵の植物図譜・植物標本を併せて展観する企画。晩年を練馬区で過…

映画『もしかしたら私たちは別れたかもしれない』

映画『もしかしたら私たちは別れたかもしれない』2023年製作の韓国映画。103分。監督・脚本は、ヒョン・スル(형슬우)。撮影は、イ・ジングン(이진근)。編集は、キム・ジュウン(김주운)。音楽は、ゴーギャン(Gogang)。原題は、"어쩌면 우린 헤어졌는지 모른다…

展覧会 すずきしほ個展『午後3時の植物園』

展覧会『すずきしほ個展「午後3時の植物園」』を鑑賞しての備忘録SAN-AI GALLERY +contemporary artにて、2023年8月6日~12日。 植物や動物などをシンプルな線で親しみのあるイメージに変換するとともに、描面の多様な表現の差異を試みるべく、キャンヴァス…

展覧会 松野有莉個展『Take a walk』

展覧会『松野有莉個展「Take a walk」』を鑑賞しての備忘録PATH ARTSにて、2023年8月1日~13日。 身近な風景を、それを眺めるうちに生じるノイズのようなかたちを含め描いた絵画(シーチングにパステル)9点と、風景の写生画(キャンヴァスにアクリルガッシ…

展覧会 倉敷安耶個展『腐敗した肉、その下の頭蓋骨をなぞる。』

展覧会 倉敷安耶個展『腐敗した肉、その下の頭蓋骨をなぞる。』を鑑賞しての備忘録銀座 蔦屋書店 アートウォールにて、2023年7月22日~8月11日。 キリスト教絵画の「マグダラのマリア」のイメージを仏教絵画の「九相図」の観点で捉え直した作品《九相図》を…

展覧会 小倉ゆい個展『ちきゅうという現象』

展覧会『小倉ゆい展「ちきゅうという現象」』を鑑賞しての備忘録galerieHにて、2023年7月30日~8月12日。 硬質な金唐革を背景にモフモフした化け物や動物の魂などを描いた油彩・テンペラの混合技法の絵画17点と、猫を描いた水彩・アクリル絵具の混合技法の絵…

映画『はこぶね』

映画『はこぶね』を鑑賞しての備忘録2022年製作の日本映画。99分。監督・脚本・編集は、大西諒。演出は、梅澤舞佳と稲尾遼。撮影・音楽は、寺西涼。録音は、三村一馬。照明は、石塚大樹。美術は、玉井裕美。ヘアメイクは、くつみ綾音。 伊豆半島の漁港。水面…

展覧会 タナベルン個展『#多分風景』

展覧会『新世代への視点2023 タナベルン展「#多分風景」』を鑑賞しての備忘録藍画廊にて、2023年7月24日~8月5日。 短い描線を重ねた風景をジェルメディウムや水性ニスによってパッキングするように提示する絵画作品8点で構成される、タナベルンの個展。 《…

展覧会 東尾文華展『爛々』

展覧会『画廊からの発言 新世代への視点2023 東尾文華展「爛々」』を鑑賞しての備忘録ギャルリー東京ユマニテにて、2023年7月24日~8月5日。 東洋的なモティーフとサイケデリックなスタイルとを融合させた版画を制作する東尾文華を紹介する企画。 《視線が出…

展覧会『南桂子 銅版画展―静かな王国』

展覧会『南桂子 銅版画展―静かな王国』を鑑賞しての備忘録ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションにて、2023年5月27日~8月6日。 南桂子(1911-2004)の銅版画43点と油彩画1点を関連資料と併せて展観。 《牧場》[04]は、2つの弧を縦に"y"字状に入れ、その上部に単…

展覧会 福濱美志保個展

展覧会『画廊からの発言 新世代への視点 2023 福濱美志保展』を鑑賞しての備忘録コバヤシ画廊にて、2023年7月24日~8月5日。 小さな人形を屋内外に配した場面を描いた《Cheek to Cheek》、《Wash My Wounds》、《Around the Clock》、《Heaven knows》、《Da…

展覧会 磯村暖個展『カ』

展覧会『磯村暖個展「カ[kä]」』を鑑賞しての備忘録EUKARYOTEにて、2023年7月14日~8月6日。 表題作のヒトガタの立体作品を始め、人の姿形を地球の重力の作用から、または他の生物の形態あるいは火星の重力との比較などから捉え直す立体作品や絵画で構成さ…