2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧
桐野夏生『日没』〔岩波現代文庫 文芸352〕岩波書店(2023)を読了しての備忘録 松重カンナは中央線沿線で一人暮らしをしている40代前半の小説家。筆名は「マッツ夢井」。世の中に絶望していると言いながらも、世間一般の常識とは懸け離れた事象にこそ人間の本…
展覧会『森山大道個展「TOKYO」』を鑑賞しての備忘録Akio Nagasawa Gallery Ginzaにて、2024年1月11日~3月30日。 モノクロームの写真で構成される、森山大道の個展。 2段4列の8点組が3つある。そのうちの1つは、クラブあるいはキャバレーの入口に姿を現わす…
映画『哀れなるものたち』を鑑賞しての備忘録2023年製作のイギリス映画。142分。監督は、ヨルゴス・ランティモス(Yorgos Lanthimos)。原作は、アラスター・グレイ(Alasdair Gray)の小説『哀れなるものたち』。脚本は、トニー・マクナマラ(Tony McNamara)。撮…
映画『みなに幸あれ』を鑑賞しての備忘録2024年製作の日本映画。89分。監督・原案・編集は、下津優太。脚本は、角田ルミ。撮影は、岩渕隆斗。照明は、中嶋裕人。録音は、紙谷英司。美術は、松本慎太朗。スタイリストは、上野圭助。メイクは、木戸友子。CGは…
展覧会『中村葵「可能でなく、不可能でないやり方」』を鑑賞しての備忘録ボヘミアンズ・ギルド・ケージにて、2024年1月11日~28日。 ネズミ撃退器をネズミと勘違いした経験を元にしたデジタルアニメーション《ラットゥスの家》(2021)、地球に遍在するシアノ…
映画『弟は僕のヒーロー』を鑑賞しての備忘録2019年製作のイタリア・スペイン合作映画。102分。監督は、ステファノ・チパーニ(Stefano Cipani)。原作は、ジャコモ・マッツァリオール(Giacomo Mazzariol)の小説『弟は僕のヒーロー(Mio fratello rincorre i di…
展覧会『木村萌展「ふきよせ」』を鑑賞しての備忘録Luft+altにて、2024年1月6日~14日。 紗のように透き通る布や不定形の木片を支持体とした絵画で構成される、木村萌の個展。 《composition》(180mm×140mm)には、豆と凹凸のある鞘とを描いた作品。7つの鞘を…
展覧会『鈴木のぞみ展「Words of Light」』を鑑賞しての備忘録第一生命ギャラリーにて、2024年1月17日~2月7日。 日常に存在する穴をピンホールカメラの穴として用いて撮影した写真によって構成される、鈴木のぞみの個展。 《小川町の穴》は、スライド映写機…
映画『緑の夜』を鑑賞しての備忘録2023年製作の中国映画。92分。監督は、ハン・シュアイ(韩帅/Shuai Han)。脚本は、ハン・シュアイ(韩帅/Shuai Han)とレイ・シェン(雷声/Sheng Lei)。撮影は、マティアス・デルボー(Matthias Delvaux)とキム・ヒョンソク(김현…
展覧会『愛甲次郎「ピアニシモな鎧」』を鑑賞しての備忘録TAKU SOMETANI GALLERYにて、2023年12月20日~2024年1月21日。 雲肌麻紙に鉛筆と墨とで描いた、往年のモノクロームのハリウッド映画のワンシーンのような肖像画で構成される、愛甲次郎の個展。 出展…
映画『サン・セバスチャンへ、ようこそ』を鑑賞しての備忘録2020年製作のスペイン・アメリカ・イタリア合作映画。88分。監督・脚本は、ウッディ・アレン(Woody Allen)。撮影は、ビットリオ・ストラーロ(Vittorio Storaro)。美術は、アライン・バイネ(Alain B…
映画『僕らの世界が交わるまで』を鑑賞しての備忘録2022年製作のアメリカ映画。88分。監督・脚本は、ジェシー・アイゼンバーグ(Jesse Eisenberg)。原作は、ジェシー・アイゼンバーグ(Jesse Eisenberg)のラジオドラマ"When You Finish Saving the World"。撮…
映画『VESPER ヴェスパー』を鑑賞しての備忘録2022年製作のフランス・リトアニア・ベルギー合作映画。114分。監督は、クリスティーナ・ブオジーテ(Kristina Buožytė)とブルーノ・サンペル(Bruno Samper)。原案は、ブルーノ・サンペル(Bruno Samper)とクリス…
展覧会『森戸一惠個展「Swan Maidens」』を鑑賞しての備忘録MEDEL GALLERY SHUにて、2024年1月9日~21日。 森戸一惠の絵画展。 《アニムスとアニマ》(910mm×727mm)は、白い画面に赤紫やオレンジ、茶などで、寝そべる人物2人を画面の上部と下部とにそれぞれ表…
展覧会『山ノ内陽介「マインドワンダリング」』を鑑賞しての備忘録銀座 蔦屋書店アートウォールにて、2024年1月6日~26日。 5点の絵画で構成される、山ノ内陽介の個展。 《表皮》(410mm×273mm)は、別のパネルに描いた顔を剥ぎ取って貼り付けた作品。絵画が支…
展覧会『長船恒利 在るもの』を鑑賞しての備忘録Kanzan Galleryにて、2023年12月23日~2024年1月28日。 静岡県藤枝市を拠点とした写真家・長船恒利(1943-2009)の「在るもの」シリーズから、1991年に刊行した写真集「在るもの」に掲載された全23点を紹介する…
展覧会『佐藤忠展「見えないもの、つかめないもの」』を鑑賞しての備忘録日本橋髙島屋 本館6階 美術画廊Xにて、2024年1月10日~29日。 ステンレス製の大小の輪を繋いで造型した女性像を中心とする、佐藤忠の個展。 《垂直の雨》では、ステンレススティール製…
映画『燈火(ネオン)は消えず』を鑑賞しての備忘録2022年製作の香港映画。103分。監督・脚本は、アナスタシア・ツァン(Anastasia Tsang/曾憲寧)撮影は、リョン・ミンカイ(Leung Ming-kai/梁銘佳)美術は、アレックス・モク。編集は、ノーズ・チャン(Nose Chu…
展覧会『山中雪乃「POSE」』を鑑賞しての備忘録DIESEL ART GALLERYにて、2023年12月2日~2024年1月16日。 女性の肖像を描いた絵画11点と立体作品1点とで構成される、山中雪乃の個展。 腰を降ろした女性の胸から太腿を捉えた《sunlight》(910mm×1167mm)や、坐…
映画『コンクリート・ユートピア』を鑑賞しての備忘録2023年製作の韓国映画。130分。監督は、オム・テファ(엄태화)。原作は、キム・スンリュ(김숭늉)の漫画"유쾌한 왕따"。脚本は、イ・シンジ(이신지)とオム・テファ(엄태화)。撮影は、チョ・ヒョンレ(조형래…
展覧会『ミヤケマイ個展「ものがたりがはじまる Long Long Time Ago」』を鑑賞しての備忘録FOAM CONTEMPORARYにて、2023年12月28日~2024年1月24日。 箱形や軸装など表装の仕掛けも楽しい絵画作品28点で構成される、ミヤケマイの個展。様々な問いを投げ掛け…
映画『ブルーバック あの海を見ていた』を鑑賞しての備忘録2022年製作のオーストラリア映画。102分。監督は、ロバート・コノリー(Robert Connolly)。原作は、ティム・ウィントン(Tim Winton)の小説『ブルーバック(Blueback)』。脚本は、ロバート・コノリー(R…
展覧会『111年目の中原淳一展』を鑑賞しての備忘録そごう美術館にて、2023年11月18日~2024年1月10日。 雑誌『少女の友』でのデビュー(昭和初期)から敗戦までの活動を紹介する第1章「『新しい』少女のために」、雑誌『それいゆ』での仕事を展観する第2章「…
展覧会『動物園にて―東京都コレクションを中心に』を鑑賞しての備忘録東京都美術館〔ギャラリーB〕にて、2023年11月16日~2024年1月8日。 日本最古の動物園である上野動物園に纏わる資料や美術作品を辿り、動物園について考察する企画。展示室の入口では、プ…
映画『ショーイング・アップ』を鑑賞しての備忘録2022年製作のアメリカ映画。108分。監督・編集は、ケリー・ライカート(Kelly Reichardt)。脚本は、ジョン・レイモンド(Jon Raymond)とケリー・ライカート(Kelly Reichardt)。撮影は、クリストファー・ブロベ…
映画『ゴッズ・クリーチャー』を鑑賞しての備忘録2022年製作のイギリス・アイルランド合作映画。100分。監督は、サエラ・デイビス(Saela Davis)とアナ・ローズ・ホーマー(Anna Rose Holmer)。原案は、フォーラ・クローニン・オライリー(Fodhla Cronin O'Reil…
映画『笑いのカイブツ』を鑑賞しての備忘録監督は、滝本憲吾。原作は、ツチヤタカユキの小説『笑いのカイブツ』。脚本は、滝本憲吾、足立紳、山口智之、成宏基。撮影は、鎌苅洋一。照明は、神野宏賢と秋山恵二郎。録音は、齋藤泰陽と藤本賢一。美術は、安藤…
山本文緒『自転しながら公転する』〔新潮文庫や-66-2〕新潮社(2022)を読了しての備忘録 与野都は32歳。以前は麻やオーガニックコットンなど自然素材を使ったブランドに勤めていた。高価でなかなか手が出せない服だが店員になれば着られるとアルバイト店員に…
映画『女優は泣かない』を鑑賞しての備忘録2023年製作の日本映画。116分。監督・脚本・編集は、有働佳史。撮影監督は、長野泰隆。照明は、児玉淳。録音は、岡正剛。美術は、鳴滝良弘。スタイリストは、中野雅世。ヘアメイクは、岡本侑子。カラリストは、関谷…
映画『きっと、それは愛じゃない』を鑑賞しての備忘録2022年製作のイギリス映画。109分。監督は、シェカール・カプール(Shekhar Kapur)。脚本は、ジェマイマ・カーン(Jemima Khan)。撮影は、レミ・アデファラシン(Remi Adefarasin)。美術は、サイモン・エリ…