可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

展覧会 水口鉄人個展『イリュミナシオン』

展覧会『水口鉄人「イリュミナシオン」』を鑑賞しての備忘録駒込倉庫にて、2023年9月9日~10月1日。 明るい白色の画面にとりどりのくすんだ色の絵具を散らした油彩画10点、木炭によるドローイング6点、ブロンズの彫刻3点で構成される、水口鉄人の個展。油彩…

映画『バーナデット ママは行方不明』

映画『バーナデット ママは行方不明』を鑑賞しての備忘録2019年製作のアメリカ映画。108分。監督は、リチャード・リンクレイター(Richard Linklater)。原作は、マリア・センプル(Maria Semple)の小説『バーナデットをさがせ!(Where'd You Go, Bernadette)』…

映画『ドラキュラ デメテル号最期の航海』

映画『ドラキュラ デメテル号最期の航海』を鑑賞しての備忘録2023年製作のアメリカ映画。119分。監督は、アンドレ・ウーブレダル(André Øvredal)。原作は、ブラム・ストーカー(Bram Stoker)の小説『吸血鬼ドラキュラ(Dracula)』第7章「デメテル号船長の航海…

展覧会 近藤恵介個展『さわれない手、100年前の声』

展覧会『開発の再開発 vol.2 近藤恵介「さわれない手、100年前の声」』を鑑賞しての備忘録gallery αMにて、2023年7月29日~10月14日。 線形思考に囚われ、アートにおいてもはや「新しいことをするのは不可能である」として、「アートの終焉」を美術史の重荷…

展覧会 金子佳代個展『A VIEW BEYOND』

展覧会『金子佳代「A VIEW BEYOND」』を鑑賞しての備忘録Alt_Mediumにて、2023年9月15日~27日。 《プラムたち》など同じ図像を繰り返す作品、《三人がふたりかひとり》など額の外に継ぎ足す作品、《夏の感じ》など既存の絵画の断片に描き足す作品など、無限…

映画『I 人に生まれて』

映画『I 人に生まれて』を鑑賞しての備忘録2021年製作の台湾映画。105分。監督・脚本は、ニー・ヤオ(倪曜)。撮影は、フアン・ボウション(黄柏雄)。美術は、チョン・ユウシュン(鄭予舜)。衣装は、ワン・ユーウェン(王郁文)。編集は、リァオ・チンソン(廖慶松)…

展覧会 有元伸也個展『TOKYO DEAD END』

展覧会 有元伸也個展『TOKYO DEAD END』を鑑賞しての備忘録TOTEM POLE PHOTO GALLERYにて、2023年9月19日~24日。 東京・多摩地域で撮影された住宅街や自動車道など郊外の景観を42インチロール印画紙に焼き付けた12点で構成される、有元伸也の写真展。 左側…

展覧会『誰かのシステムがめぐる時(第2期)』

展覧会『トーキョーアーツアンドスペースレジデンス2023 成果発表展「誰かのシステムがめぐる時」(第2期)』を鑑賞しての備忘録トーキョーアーツアンドスペース本郷にて、2023年8月19日~9月24日。 トーキョーアーツアンドスペースが実施するレジデンス・プ…

映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』

映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』を鑑賞しての備忘録2023年製作の日本映画。100分。監督は、酒井麻衣。原作は、汐見夏衛の小説『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』。脚本は、イ・ナウォンと酒井麻衣。撮影は、平野礼。照明は、本間光…

展覧会 KONA KOBAYASHI(小林瑚七)個展『CONVERSATION PIECE』

展覧会『KONA KOBAYASHI「CONVERSATION PIECE」』を鑑賞しての備忘録KOMAGOME1-14casにて、2023年9月16日~10月1日。 表題作「CONVERSATION PIECE」2点など油彩画7点と数点のドローイング作品とで構成されるKONA KOBAYASHI(小林瑚七)の個展。 《CONVERSATION…

映画『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』

映画『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』を鑑賞しての備忘録2023年製作のアメリカ映画。103分。監督は、ケネス・ブラナー(Kenneth Branagh)。原作は、アガサ・クリスティ(Agatha Christie)の小説『ハロウィーン・パーティ(Hallowe'en Party)』。脚本は、マイケ…

展覧会 大矢一穂個展『Eye to eye, so alive』

展覧会 大矢一穂個展『Eye to eye, so alive』を鑑賞しての備忘録MEDEL GALLEY SHUにて、2023年9月12日~24日。 大矢一穂の絵画展。 鑑賞者の眼に向き合う眼――eye to eye――として提示されている、銀色の肌の人物の右目の辺りだけを描いた《瞳》(180mm×140mm)…

展覧会 張静雯個展『光と影の間』

展覧会『張静雯展「光と影の間」』を鑑賞しての備忘録iwao galleryにて、2023年9月7日~24日。 集合住宅など建築物の窓が並ぶ壁面、窓からの眺望など、窓を描く絵画で構成される、張静雯の個展。 《青い窓》(530mm×530mm)は、集合住宅らしき建物の3階分の壁…

展覧会 滝本優美個展『#絵の具を描く』

展覧会『滝本優美個展「#絵の具を描く」』を鑑賞しての備忘録(hIDE)GALLERY TOKYOにて、2023年9月2日~18日。 正方形の画面の抽象絵画で構成される、滝本優美の個展。 《over green》は黄緑の画面。左端近くに縦方向に白で肥痩のある線が画面を貫き、その線…

展覧会 小川佳奈子個展『寡黙な饒舌』

展覧会『小川佳奈子展「寡黙な饒舌」』を鑑賞しての備忘録JINEN GALLERYにて、2023年9月12日~17日。 古物や植物・動物などの取り合わせによる絵画13点で構成される、小川佳奈子の個展。 何らかの意味の場に何かが現象することがありうるためには、その何か…

展覧会『テート美術館展 光 ターナー、印象派から現代へ』

展覧会『テート美術館展 光 ターナー、印象派から現代へ』を鑑賞しての備忘録国立新美術館〔企画展示室2E〕にて、2023年7月12日~10月2日。 18世紀末から現代までの光をめぐる表現や技法の移り変わりをテート美術館のコレクションで辿る企画。出品リストのセ…

展覧会 所彰宏・川名晴郎二人展『Go the long way around』

展覧会『所彰宏・川名晴郎二人展「Go the long way around」』を鑑賞しての備忘録PATH ARTSにて、2023年9月7日~17日。 サイアノタイプ、フォトポリマー、モノタイプといった版画作品の所彰宏と、版画の手法を取り入れた日本画の川名晴郎との二人展。『Go th…

映画『ヒンターラント』

映画『ヒンターラント』を鑑賞しての備忘録2021年製作のオーストリア・ルクセンブルク合作映画。99分。監督は、ステファン・ルツォビツキー(Stefan Ruzowitzky)。脚本は、ロバート・ブッフシュベンター(Robert Buchschwenter)、ハンノ・ピンター(Hanno Pinte…

展覧会『東京藝術大学日本画第一研究室研究発表展』

展覧会『東京藝術大学日本画第一研究室研究発表展』を鑑賞しての備忘録東京藝術大学大学美術館〔陳列館・正木記念館〕にて、2023年9月1日~13日。 東京藝術大学日本画第一研究室に所属する教員6名・学生14名(修士8名・博士5名・交換留学生1名)及び卒業生1…

展覧会 藤波洋平個展『背中にある虹』

展覧会 藤波洋平個展『背中にある虹』を鑑賞しての備忘録GALLERY b.TOKYOにて、2023年9月4日~16日。 人物、あるいは樹木をモティーフとした絵画12点で構成される、藤波洋平の個展。 表題作《背中にある虹》は、背中にある虹を描いた作品ではない。胸像です…

映画『アステロイド・シティ』

映画『アステロイド・シティ』を鑑賞しての備忘録2023年製作のアメリカ映画。104分。監督・脚本は、ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)。原案は、ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)とロマン・コッポラ(Roman Coppola)。撮影は、ロバート・イェーマン(Robe…

展覧会 村上早個展(2023)

展覧会『村上早展』を鑑賞しての備忘録コバヤシ画廊にて、2023年9月4日~16日。 グリム童話の「赤頭巾」に因む《まあ、なんてきみのわるい》、童謡「森のくまさん」を下敷きにした《どうか、にげないでおくれ》、アンデルセンの「赤い靴」を主題とした《靴の…

映画『緑のざわめき』

映画『緑のざわめき』を鑑賞しての備忘録2023年製作の日本映画。115分。監督・脚本は夏都愛未。撮影は、村松良。照明は、加藤大輝。音楽は、渡辺雄司。 小山田響子(松井玲奈)が森の中を彷徨っている。大きな洞を持つ朽ちた大楠が響子の前に立ちはだかる。福…

映画『高野豆腐店の春』

映画『高野豆腐店の春』を鑑賞しての備忘録2023年製作の日本映画。120分。監督・脚本は、三原光尋。撮影は、鈴木周一郎。照明は、志村昭裕。録音は、郡弘道。美術は、木谷仙夫。編集は、村上雅樹。音楽は、谷口尚久。 2015年冬。広島県尾道市。高野豆腐店。…

映画『エリザベート 1878』

映画『エリザベート 1878』を鑑賞しての備忘録2022年製作のオーストリア・ルクセンブルク・ドイツ・フランス合作映画。114分。監督・脚本は、マリー・クロイツァー(Marie Kreutzer)。撮影は、ジュディス・カウフマン(Judith Kaufmann)。美術は、マーティン・…

展覧会 湯浅万貴子個展『肯う地平』

展覧会『湯浅万貴子個展「肯う地平」』を鑑賞しての備忘録MEDEL GALLERY SHUにて、2023年8月29日~9月10日。 箔を貼った画面に点描立体感を表わした女性の身体を配した「Gestalt」シリーズや、箔と絵具により図と地の関係を考察する「to ti ēn einai」シリー…

展覧会 新宅和音個展『出奔する少女』

展覧会『新宅和音個展「出奔する少女」』を鑑賞しての備忘録新宿眼科画廊〔スペースM〕にて、2023年8月25日~9月6日。 少女をモティーフとした絵画で構成される、新宅和音の個展。 メインヴィジュアルに採用されている《ビニールハウス》は、天井に穴が開き…

映画『あしたの少女』

映画『あしたの少女』を鑑賞しての備忘録2022年製作の韓国映画。138分。監督・脚本は、チョン・ジュリ(정주리)。撮影は、キム・イルヨン(김일연)。照明は、キム・ミンジェ(김민재)。美術は、チェイム(최임)編集は、イ・ヨンリム(이영림,)。音楽は、チャン・…

展覧会『エマイユと身体』

展覧会『エマイユと身体』を鑑賞しての備忘録銀座メゾンエルメス フォーラムにて、2023年6月17日~9月17日。 シルヴィ・オーヴレの、ジャン・ジレル、内藤アガーテ、ユースケ・オフハウズ、小川待子、フランソワーズ・ペトロヴィッチ、安永正臣の作品を通じ…

映画『スイート・マイホーム』

映画『スイート・マイホーム』を鑑賞しての備忘録2023年製作の日本映画。113分。監督は、齊藤工。原作は、神津凛子の小説『スイート・マイホーム』。脚本は、倉持裕。撮影は、芦澤明子。照明は、菰田大輔。録音は、桐山裕行。美術は、金勝浩一。装飾は、山田…