展覧会『あいおいニッセイ同和損保「椿絵」コレクション名品選 百歳万彩』を鑑賞しての備忘録
UNPEL GALLERYにて、2023年12月2日~24日。
UNPEL GALLERYを運営する、あいおいニッセイ同和損保所蔵の「椿絵コレクション」から、100歳を超えても絵筆を取った奥村土牛(6点)、小倉遊亀(4点)、堀文子(4点)の作品(計14点)を展観。
小倉遊亀《古九谷徳利と白椿》[08]は、肩に花唐草、胴に菊花で埋め尽くした部分と花卉を描いた部分とを交互に配した赤絵の古伊万里の徳利を横から描いた隣に、白椿の花と蕾の付いた一枝を縦に描いた作品。徳利がどっしりと据えられていることの対称で、金地に椿だけならば感じなかったであろう、恰も枝が徳利に対抗意識を燃やして立ち上がっているような違和感が生まれ、かつそれが妙味となっている。」
小倉遊亀《椿》[04]は、水色に近い青磁の壺に活けた椿を描いた作品。上を向いた斑入りや白の椿の他、下を向いた白の椿、蕾など椿は多様な姿を見せる。他方、壺は、応県木塔のような趣を持つ9層の構造を持ち(但し、仏塔とは逆に上部に向かって広がる)、艶やかな椿に対して凜とした佇まいで一歩も引けを取らない。
小倉遊亀《椿》[07]は、画面に金扇のような部分を作り、そこにに花瓶に活けた椿を描く。花瓶は肩から上の部分だけを表わし、花瓶の口から枝が震えるようにジグザグに伸びて、その先に花をつけている。椿が枝を広げていく運きを、扇面の広がりによって連想させようとするようだ。