展覧会『特集 白磁の誕生と展開』を鑑賞しての備忘録
東京国立博物館東洋館5室にて、 2019年1月2日~4月21日。
6世紀末の隋で誕生してから8世紀半ばに唐で実用品として量産されるまでの白磁を「初期白磁」として紹介する、東洋館の展示室の一角を用いての特集展示。
灰を主成分とした釉薬を掛けて焼成した磁器は商時代前期に誕生した。胎土や釉薬に含まれる鉄分が還元焔焼成によって青味を帯びて見えることから青磁と称される。隋になると、華北において白く精製された胎土を持つ白い磁器が現われた。青磁から白磁が誕生した。
隋から初頭にかけて華北に現われた白磁は670年を境に同時代の金属器を模した形で作られる。金属製の把杯を写したは同時期に白磁だけでなく唐三彩でも作られていたという。これが「初期白磁」の最後の姿となる。
誕生から終焉までの間、初期白磁は様々な形で作られた。注口や把手は金属器を写しつつ全体は革袋のような《白磁人頭飾り水注》、ガラス器か金属器かを模した形をとる《白磁水注》など。これらの祖型が不明な点が初期白磁の特色だという。