可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

展覧会 村上早個展(2024)

展覧会『村上早展』を鑑賞しての備忘録
コバヤシ画廊にて、2024年9月9日~21日。

動物と人とをモティーフとしながら、事故や事件の現場のような場面のために、あるいは表情が窺えないために不穏な雰囲気を醸し出す版画作品で構成される、村上早の個展。

《はおる》(1500mm×1180mm)には、女性が熊の着ぐるみを腕を通さず羽織り、もう1人の人物(?)が熊の着ぐるみを着てフォークに刺した肉(?)を女性に食べさせようとしている場面を描かれている。
草原に倒れた馴鹿を描く《橇と馴鹿 1》(1180mm×1500mm)と、その馴鹿が引いていた横転した橇とを描く《橇と馴鹿 2》(1180mm×1500mm)とは対の作品。横転した橇からプレゼントの箱が散乱するとともに、その影に女性のスカートの裾と足とが覗く。
《のこぎり》(1500mm×1180mm)には、ジェンガのように積み上げた薪の上に小熊が横たわり、その傍らにチェーンソーを持った女性と、彼女を引き留めるように服を引っ張るもう1人の女生とが表されている。
《いだく》(1500mm×1180mm)には、母熊の腹から抜け出して、母熊の頭にしがみつく女性が描かれる。