可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

展覧会『フィジカルボディ・コンプレックス』

展覧会『フィジカルボディ・コンプレックス』を鑑賞しての備忘録
新宿眼科画廊〔スペースO〕にて、2019年12月13日~25日。

藤城嘘、ハムスターの息子に産まれて良かった、都築拓磨、髙木ちゃー、杉本憲相、飯島モトハルの6名による、肉体を持たないキャラクターと肉体を持つ人間との関係性をテーマにしたグループ展。

髙木ちゃー《Naked Graces》について
三美神(The Three Graces)やパリスの審判(Judgement of Paris)を描いた絵画に登場する三美神のとるポーズを、アニメーションのキャラクターに置き換え、次々と見せていくアニメーション作品。キャラクターには光の三原色のそれぞれが割り当てられ、三者の重なり合いが光の重なり合いとして示される。絵画において身体がとる姿勢や、それらの組み合わせ方の妙を取り出して提示して興味深い。三美神が次々とポーズを変えていく様子は、美を競うファッション写真における撮影現場をイメージさせるスピーディーな展開。なおかつ、あえて「プリクラ」のカウントダウンとシャッター音とに合わせることで、三美神を庶民的な舞台へと引き下ろすコミカルな演出も見事。