可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

展覧会 吉田ユニ個展『Dinalog』


展覧会『吉田ユニ展「Dinalog」』を鑑賞しての備忘録
ラフォーレミュージアム原宿にて、2019年11月15日~12月1日。

アートディレクター・吉田ユニの作品展。
傾斜を付けた白いボードを組み合わせた衝立を会場壁面に沿って並べポスターを掲示するとともに、中央には撮影で使用した衣装や小道具などを展示している。

メインヴィジュアルに採用された、花を抱えたモデルの左側を斜めに切断したように見せる作品や、水中に座るモデルが水面をテーブルのようにしている作品など、断面で見せるタイプや、部屋でくつろぐモデルを床からの視点で見せる作品など異なる視点を提示するタイプ、服と肌(身体)を溶け込ませるように組み合わせた境界を曖昧にするタイプ、液体をこぼしたり滴らせたりすることでヒールやネクタイの造形を表わす見立てのタイプなど、いずれも奇抜でユニーク、訴求力のある作品が並ぶ。中でも唇を花瓶に見立てて花を挿した作品が強く印象に残った。艶やかな唇自体エロティックだが、そこに(植物の)生殖器官である花を挿してしまうことでそのイメージを増幅させる大胆さ。それと同時に、花と口との組み合わせはハナカマキリのごとく捕食のための擬態というグロテスクにも通じる。

同会場で行われた初個展「Imaginatomy」が2014年だったということを知り、あれからもう5年も経ってしまったのかと驚愕。