可能性 ある 島 の

芸術鑑賞の備忘録

2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧

展覧会 横野明日香個展『立ち上がる風景』

展覧会『横野明日香「立ち上がる風景」』を鑑賞しての備忘録KATSUYA SUSUKI GALLERYにて、2025年3月15日~30日。 絵筆の反復運動により山や水の景観を画面に生じさせる、横野明日香の個展。 《冬の山》(970mm×1620mm)は、画面右側の下から3分の1程度の高さか…

映画『レイブンズ』

映画『レイブンズ』を鑑賞しての備忘録2024年のフランス・日本・ベルギー・スペイン合作映画。116分。監督・脚本は、マーク・ギル(Mark Gill)。撮影は、フェルナンド・ルイス(Fernando Ruiz)。照明は、川邉隆之。録音は、トマ・フランソワ(Thomas François)…

展覧会 石丸美緒里・上野悠河二人展『□|』

展覧会『石丸美緒里・上野悠河「□|」』を鑑賞しての備忘録KOMAGOME1-14casにて、2025年3月18日~30日。 石丸美緒里の絵画作品と上野悠河の平面・立体作品とで構成される二人展。 上野悠河《キャンティ(吉田克朗への習作)》[12]は、床に鉄管2本を十字に組…

展覧会 黒瀧舞衣個展『わたしの洞窟』

展覧会『黒瀧舞衣「わたしの洞窟」』を鑑賞しての備忘録MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYにて、2025年3月19日~3月31日。 顔や手の素朴な表現と執拗な彫り込みのグロテスクさとが同居する木彫作品で構成される、黒瀧舞衣の個展。 《ちいさな海、つつんでつつ…

本 会田誠『性と芸術』

会田誠『性と芸術』〔幻冬舎文庫あ-43-3〕幻冬舎(2025)を読了しての備忘録 餌皿を前に、手足を切断された少女が首輪に鎖を繋がれ、舌を出しながら上を向き微笑む《犬》(1989)の制作意図を作家・会田誠が開陳する。 美術作品を作るに際して、「現代的であるこ…

展覧会『ポーラ ミュージアム アネックス展 2025 マテリアルの可能性』

展覧会『ポーラ ミュージアム アネックス展 2025 マテリアルの可能性』を鑑賞しての備忘録ポーラ ミュージアム アネックスにて、2025年3月14日~4月13日。 ポーラ美術振興財団の支援を受けて在外研修を修了した作家の成果発表展。例えば2024年の第22回では「…

展覧会 福光真実個展『スペシャル・キッス』

展覧会 福光真実個展『スペシャル・キッス』を鑑賞しての備忘録HIGURE 17-15 casにて、2025年3月16日~30日。 木製パネルの木地を活かし、赤や緑を中心とした半ば抽象化したイメージを油絵具やクレヨンで描き出した絵画で構成される、福光真実の個展。 冒頭に…

映画『リアル・ペイン 心の旅』

映画『リアル・ペイン 心の旅』を鑑賞しての備忘録2024年製作のアメリカ映画。90分。監督・脚本は、ジェシー・アイゼンバーグ(Jesse Eisenberg)。撮影は、ミハウ・ディメク(Michał Dymek)。美術は、メラ・メラク(Mela Melak)。衣装は、マウゴジャータ・フダ…

映画『悪い夏』

映画『悪い夏』を鑑賞しての備忘録2025年製作の日本映画。114分。監督は、城定秀夫。原作は、染井為人の小説『悪い夏』。脚本は、向井康介。撮影は、渡邊雅紀。照明は、志村昭裕。録音は、秋元大輔。美術は、松塚隆史。装飾は、松塚隆史。小道具は、タグチマ…

展覧会 和田咲良個展『)(』

展覧会『和田咲良「『)(」』を鑑賞しての備忘録小山登美夫ギャラリー天王洲にて、2025年3月8日~29日。 和田咲良の絵画展。展覧会タイトル「)(」は「( )」を反転させた「外向きの丸括弧」を表わす。 《夢をみる》(1826mm×3370mm)は、ベッドに短パンを…

展覧会 サラ・アンスティス個展『Bath』

展覧会『サラ・アンスティス「Bath」』を鑑賞しての備忘録ペロタン東京にて、2025年3月5日~4月5日。 初期フランドル派やフォンテーヌブロー派といったルネサンス期の雰囲気を湛える、主に女性を描いた絵画で構成される、サラ・アンスティス(Sara Anstis)の…

展覧会『複数形の身体』

展覧会『ACT (Artists Contemporary TOKAS) Vol.7 複数形の身体』を鑑賞しての備忘録トーキョーアーツアンドスペース本郷にて、2025年2月22日~3月23日。 身体の複数性をテーマに、透過性のある身体ないしその部位が重なり合う絵画の庄司朝美、誰のものでも…

展覧会 向井ひかり個展『ザ・ネイムズ・オン・ザ・ビーチ』

展覧会『第1回BUG Art Awardグランプリ受賞者個展 向井ひかり「ザ・ネイムズ・オン・ザ・ビーチ」』を鑑賞しての備忘録BUGにて、2025年2月19日~3月23日。 日常生活で目にする細やかな光景に着想した立体作品と映像作品とで構成される、向井ひかりの個展。 …

展覧会 雪下まゆ個展『Spectrum』

展覧会『雪下まゆ「Spectrum」』を鑑賞しての備忘録FOAM CONTEMPORARYにて、2025年3月8日~4月2日。 黒い影に脅かされる女性などをモティーフとした絵画で構成される、雪下まゆの個展。 「Lithium」シリーズ(各727mm×727mm)は、臙脂を背景にベリーショート…

展覧会『来たる世界 2075 テクノロジーと崇高』

展覧会『来たる世界 2075 テクノロジーと崇高』を鑑賞しての備忘録GYRE GALLERYにて、2025年2月11日~3月16日。 アンドレア・サモリー(Andrea Samory)の彫刻「キメラ」シリーズ、イオナ・ズール(Ionat Zurr)の「人工子宮」プロジェクト、井田大介の彫刻《シ…

映画『Playground 校庭』

映画『Playground 校庭』を鑑賞しての備忘録2021年製作のベルギー映画。72分。監督・脚本は、ローラ・ワンデル(Laura Wandel)。撮影は、フレデリック・ノワロム(Frédéric Noirhomme)。音響は、トーマス・グリム=ランズバーグ(Thomas Grimm-Landsberg)。美術…

映画『ウィキッド ふたりの魔女』

映画『ウィキッド ふたりの魔女』を鑑賞しての備忘録2024年製作のアメリカ映画。161分。監督は、ジョン・M・チュウ(Jon M. Chu)。原作は、グレゴリー・マグワイア(Gregory Maguire)の小説『ウィキッド 誰も知らない、もう一つのオズの物語(Wicked)』。スティ…

映画『ロングレッグス』

映画『ロングレッグス』を鑑賞しての備忘録2023年製作のアメリカ映画。101分。監督・脚本は、オズグッド・パーキンス(Osgood Perkins)。撮影は、アンドレス・アローチ・ティナヘロ(Andrés Arochi Tinajero)。美術は、ダニー・ヴァーメット(Danny Vermette)。…

展覧会『Tell Me a Bedtime Story 武蔵野美術大学日本画学科卒業生グループ展』

展覧会『第31回大学日本画展 武蔵野美術大学日本画学科卒業生グループ展「Tell Me a Bedtime Story」』を鑑賞しての備忘録UNPEL GALLERYにて、2025年3月1日~16日。 武蔵野美術大学大学院造型研究家美術専攻日本画コースの在籍者及び修了者である、鎹さやか…

映画『プレゼンス 存在』

映画『プレゼンス 存在』を鑑賞しての備忘録2024年製作のアメリカ映画。84分。監督は、スティーブン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)。脚本は、デビッド・コープ(David Koepp)。撮影は、ピーター・アンドリュース(Peter Andrews)。美術は、エイプリル・ラ…

展覧会 もりさこりさ個展『醒めない夢に針を落とせば』

展覧会『もりさこりさ「醒めない夢に針を落とせば」』を鑑賞しての備忘録MEDEL GALLERY SHUにて、2025年2月28日~3月12日。 真夜中、輝く光に誘われて、あらゆる境界を越えて自由に往き来できる世界を表現する絵画で構成される、もりさこりさの個展。展覧会…

映画『ケナは韓国が嫌いで』

映画『ケナは韓国が嫌いで』を鑑賞しての備忘録2024年製作の韓国映画。107分。監督・脚本は、チャン・ゴンジェ(장건재)。原作は、チャン・ガンミョン(장강명)の小説『韓国が嫌いで(한국이 싫어서)』。撮影は、ナ・ヒソク(나희석)。美術は、キム・ソナ(김선하…

映画『デビルズ・ゲーム』

映画『デビルズ・ゲーム』を鑑賞しての備忘録2023年製作の韓国映画。106分。監督・脚本は、キム・ジェフン(김재훈)。撮影は、チェ・ジョンソク。照明は、イ・ジュノ(이준호)。音響は、イ・ジュジュン(이기준)とソン・インヘ(송인해)。美術は、イ・ジョンウ(…

展覧会 パク・ミンジュン個展『妙』

展覧会『パク・ミンジュン「妙」』を鑑賞しての備忘録東京画廊+BTAPにて、2025年3月1日~4月5日。 人と動物、あるいは動物同士の組み合わさったキメラ的なキャラクターを写実的に描いた油彩画で構成される、パク・ミンジュン(박민준/朴民俊)の個展。緑色で統…

映画『ザ・ゲスイドウズ』

映画『ザ・ゲスイドウズ』を鑑賞しての備忘録2025年製作の日本映画。93分。監督・脚本は、宇賀那健一。撮影は、古屋幸一。照明は、加藤大輝。録音は、岩崎敢志。美術は、松塚隆史。スタイリストは、中村もやし。ヘアメイクは、くつみ綾音。特殊メイク・特殊…

展覧会『no man's land』

展覧会『no man's land』を鑑賞しての備忘録。SOM GALLERYにて、2025年2月14日~3月9日。 ハンナ・アレント(Hannah Arendt)が公的領域と私的領域のいずれにも属さない中間的な場を指して用いた"no man's land"という「閾」を切り口に、統治手段としての都市…

展覧会 高瀬栞菜個展『Read Your Diary』

展覧会『高瀬栞菜「Read Your Diary」by imura art gallery』を鑑賞しての備忘録CADAN有楽町〔Space M〕にて、2025年2月18日~3月9日。 僅かに歪な世界を舞台に愛嬌のある動物の登場する寓話的な絵画で構成される、高瀬栞菜の個展。 《部屋の馬》(1940mm×324…

展覧会 原田裕規個展『夢と影』

展覧会 原田裕規個展『夢と影』を鑑賞しての備忘録ANOMALYにて、2025年2月1日~3月1日。 ハワイの日系アメリカ人をモデルに制作したCGの人物が日系アメリカ人の声を復唱した作家の声に合わせて口を動かす映像作品「シャドーイング」シリーズや、2023年に大規…

映画『知らないカノジョ』

映画『知らないカノジョ』を鑑賞しての備忘録2025年製作の日本映画。121分。監督は、三木孝浩。原作は、ユーゴ・ジェラン(Hugo Gélin)監督の映画『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから(Mon inconnue)』(2019)。脚本は、登米裕一と福谷圭祐。…

展覧会 小田川史弥個展『名残の休日』

展覧会『小田川史弥「名残の休日」』を鑑賞しての備忘録KATSUYA SUSUKI GALLERYにて、2025年2月15日~3月2日。 寛ぎの時間をモティーフに、引き伸ばされ歪んだイメージが印象的な絵画で構成される、小田川史弥の個展。 《二人の好きなもの》(410mm×318mm)は…